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「英語ゆううつ症」に悩む人々に、ジョージ・W・ブッシュ前米国大統領はかなりなぐさめになる。複数名詞の後ろに3人称単数動詞「is」を何ともなくくっつけるのを見れば「エール大学士-ハーバード大修士」といった学歴が疑わしく思えるほどだ。文法だけではなく、語彙の実力も期待以下だった。Greeks(ギリシア人)を堂々と「Grecians」といったり、underestimate(あなどる)を間違って「misunderestimate」と言うなど、常に驚かせてくれた。
米大統領すらてこずるほど英語の語彙は膨大だ。オックスフォード英語辞典に公式掲載された単語だけで60万語だ。フランス語(10万語)やスペイン語(25万語)は比較にもならない。ほかの言語と文化をスポンジのように吸収して単語数を増やしてきた結果だ。「英文学の父」と呼ばれるジェフリー・チョサーはひどく貧弱だった英語を豊かにさせた先駆者に数えられる。14世紀当時、英語になかった言葉をフランス語やイタリア語からこっそり借用してきた。Secret(秘密)、policy(政策)、galaxy(銀河)など、そのようにして作った新造語が1000以上だ。
このごろは98分に1つずつ新しい単語ができるといわれる。特殊ソフトウェアで新造語の動向を把握してきた「グローバルランゲージモニター(GLM)」という団体は、ついに10日、百万語目の英語の単語が誕生したと発表した。次世代インターネットを意味するWeb(ウェブ)2.0だ。Sexting(いやらしい文字、電子メール送信)やnoob(新参)などが、わずかの差で栄誉を逃した。「多くの国で同じ意味としてよく使われる言葉」を選定基準にしたという。
中国(3億人)とインド(3億5000万人)を含む全世界15億人以上が英語で意思疎通することを考慮すれば、当たり前の条件だ。ラテン語とフランス語がそうだったように英語はもう英米圏だけの言語ではないリングワ・フランカ(linguafranca=世界語)だからだ。
英語の勢いには影もつきまとう。英語の拡散で各国の土着語が急速に消えているというのがデービッド・クリスタル教授(ウェールズ大学バンゴール)ら、言語学者たちの指摘だ。2100年には現存する7000の言語が数百個に減るという暗うつな予測もある。英語学習への熱気が何より高い韓国も、耳を傾ける必要がある部分だ。韓流のおかげで韓国語を使う海外人口が増えているのが、それさえも希望と言わなければならないか。
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