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宇宙へ…極地へ…、科学大国に生まれ変わる韓国



2003年12月7日、南極・キングジョージ島の世宗(セジョン)科学基地。1年間の派遣勤務を終えた研究隊員24人を帰還させるためチリ基地から戻ってきたゴムボートの世宗1号が転覆した。救助に向かった世宗2号も高波により転覆し、チョン・ジェギュ隊員が死亡した。隊員らは「砕氷船があったなら…」と号泣した。

2009年6月11日、釜山(プサン)蓬莱洞(ポンレドン)の韓進(ハンジン)重工業影島(ヨンド)造船所。船首が鋭くとがった変わった船が進水式を行った。韓国で初めて建造された砕氷船「アラオン号」だ。死亡したチョン・ジェギュ隊員が所属していた韓国海洋研究院極地研究所が9月に引き渡しを受け2010年に南極世宗基地探査活動に投入する船だ。


アラオン号は6年の歳月を隔てた2つの場面を結ぶ。チョン・ジェギュ隊員の死を通じ劣悪な南極探査活動の現実が知らされた後、政府が1040億ウォン(約80億円)で2004年に砕氷船建造に乗り出してから5年で国内技術により建造された。海を意味する古語の「アラ」に、すべてを意味する「オン」を組み合わせた船の名は、すべての海を進むという意味を込めた。

6950トン級(111×19×9.9メートル)のアラオン号は氷に覆われた氷点下30度の酷寒でも運航と研究活動が可能な先端装置を備えた。6800馬力のエンジン2基が同クラス船舶の3~4倍に達する出力を発揮し、4ノットの速度で厚さ1メートルの氷を砕きながら航海できる。このため船首側は氷を割る鋭いアイスナイフをつけている。鉄板の厚さも39.5ミリメートルと国内の船舶としては最も厚い大型輸送艦の独島艦の20ミリメートルの2倍程度になる。船の表面には石のように固く傷つきにくい特殊塗料で塗装した。

この船には100種類余りの先端実験装備が搭載されている。最も高い装備は複数の角度に音波を出して水面下の映像を3次元で再生する「多重チャンネル音波探知機」の27億ウォンだ。

これまで南極基地を持つ20カ国のうち韓国とポーランドだけが砕氷船を持っておらず、砕氷船を持つ国から1日に8000万ウォンを払い借りていた。極地研究所のナム・サンホン砕氷船運営チーム長は、「韓国の砕氷船進水の知らせに米国や英国など先進国が共同研究を提案してくるほど韓国の位置づけは高まった。借家住まいから免れた気分だ」と話している。



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