警察があすソウル都心のソウル広場と清渓（チョンゲ）広場で野党と市民団地が開く予定だった「６・１０汎国民大会」の集会を認めないことを決定した。ソウル市も「行事の趣旨が広場造成の目的に合わない」として使用を認めなかった。ソウル広場の乗用車自律曜日制参加キャンペーン、清渓広場の６・２５記念写真展など、先に使用の申し込みをした行事に優先権を与えた結果だというのは警察の説明だ。しかし単純にどの団体が集会申請を早く出したかの問題だけではないということは子どもでも見当がつく。左派性向の市民団体が「ソウル広場の主人は市民」と強弁し広場の使用許可制を申告制に変えるなどソウル市条例を改正しようと主張していることもこのためだ。

問題はこれら市民団体が主張する「市民」がいったい誰なのかという点だ。盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領の国民葬が終わった翌日にソウル広場一帯で警察のバスをつるはしや角材などで破壊し、バス車内にいた戦闘警察官を暴行した人たちが市民なのか。そうでなければ先月の「ハイソウルフェスティバル」の会場に乱入し舞台を占拠して殺虫剤に火をつけ警察に投げつけた人たちが市民なのか。現行の集会・デモに関する法律は、「集団的な暴行・脅迫・損壊・放火などで公共の安寧秩序に直接的脅威を及ぼすことが明白な集会またはデモ」は主催できないよう規定している。集会・デモ主催者には秩序を維持する義務も持たされている。それでも２００４年５月にソウル広場がオープンして以来、ソウル市民は夜間に都心を無法天地に変える違法暴力デモにうんざりしながら過ごさねばならなかった。善良な本当の「市民」が適法に平和的に集会を開き、主張することを主張した後に解散すれば恨む人がどこにいるだろうか。

われわれは暴力デモの可能性があるという理由だけで集会自体を封鎖することについてすでに懸念を表明している。憲法が保障する基本権を侵害しかねないためだ。しかし一方で、集会を開きさえすれば鉄パイプや角材を振り回し警察を暴行するのが習慣化した人たちは自分たちが本当の「市民」にどれだけ大きな被害を与えているのか痛烈に反省しなくてはならない。きのう呉世勲（オ・セフン）市長が自身のブログを通じ、「集団的意思表現の場所としてソウル広場だけはできるだけ避けてほしい」と訴えたことにも耳を傾けられなければならない。呉市長の言葉通り、「ソウル広場で暴力的に表出される意見」は結局、われわれの国家ブランド価値を引き下げるだけだ。


ソウル広場はデモ隊や扇動者の専有物ではない。違法・暴力の場として位置づけられてはならない。一部団体の主張通りにソウル広場の集会を申告制にする場合、暴力デモが日常化しないと言い切れるだろうか。週末に子どもたちを連れ散策に来た平凡な市民にも広場を楽しむ権利がある。あえて集会を開かなくてはならないなら、社会的コンセンサスに基づいたルールを守ろう。いまのままでは来月に開放される光化門（クァンファムン）広場もソウル広場の前轍を踏むのは明らかだ。ソウル広場はソウル市民みんなのものだ。