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杉本貴志氏「韓食、グローバル化目指すなら伝統にこだわるな」(1)



杉本貴志氏(64)。 最近最も忙しいホテル・レストラン・インテリアデザイナーだ。 東京・六本木のグランドハイアットホテルをはじめ、京都・箱根のハイアットホテルはすべて杉本氏の手に掛かった。 赤坂NTTドコモビル内の高級レストラン「春秋」のオーナーでもある。 韓国ではソウルパークハイアットホテルと新沙洞(シンサドン)の韓定食「ガオン」をデザインした。 上海やシンガポールなどからも引っ張りだこだ。 先月22日、東京・上北沢の個人事務所で杉本氏に会った。

--韓国を頻繁に訪れているが、どんな料理を主に食べるのか。


「韓国に行く度にどんなものが食べられるか期待している。 だから楽しい。 30年前からある明洞(ミョンドン)のコムタンスープの店は最高だ. 獎忠洞(チャンチュンドン)の豚足の店もおいしい。 韓国料理はもともと食道楽的な要素を持つ。 もちろん韓国料理の難点の一つは基本的に辛いという点だ。 私は辛いものが好きだが、多くの外国人は武橋洞(ムギョドン)のナクチポックム(タコの炒め物)のようなものは食べられない。 こういう点をうまく調節しなければならない。 すなわち韓食グローバル化のキーポイントは‘どんな顔’で料理を出すかということだ」

--韓国料理の伝統の味にこだわる必要はないということか。

「韓国料理の純粋性にこだわり過ぎる必要はない。 韓国人の料理人が現在、世界に出ているではないか。 彼らが暮らしている国、すなわち日本やフランス・イタリアのスタイルに合うように韓国料理を作ればよい。 辛さを抑えるなどの方法でだ」

--日本料理の場合、寿司・そばなど日本伝統の味をそのまま世界に出しているが。

「それは誤解だ。 現在の日本食ブームは‘第3期’と見ることができる。 1次ブームは刺し身・鉄板焼きに代表される。 ニューヨークやロンドン、シンガポールにこういう店がたくさんできたが、結局、その国に住む日本人も外国人もあまり行かなくなった。 あまりにも高級で、日本でもほとんど食べないような料理だったからだ。 2次ブームは寿司だった。 ニューヨーク7番街に有名な寿司店があるが、客のほとんどが米国人だ。 1人当たり料金は約1万円程度と、決して安くはない。 おもしろいのは、その店のメニューの半分以上は米国で開発された(創作)寿司という点だ。 日本人から見れば生ものが中心の日本の寿司とは違うと感じるだろうが、スタイルが違うだけだ。 米国人にとっておいしいものは日本人にもおいしい。 このような2次ブームで日本食が現地化に成功した。 そして3次ブームは‘インターナショナルジャパニーズ’、すなわち‘フュージョン’だ。 私はこのように3次ブームで初めて日本食が‘料理’として現地人に定着したと見ている」

--日本人は純粋な日本料理にこだわらないのか。

「極めて少数だ。 いまや日本料理はフュージョンに対する抵抗感がない。 赤坂にある日本屈指の京料理店‘菊乃井’もオリーブオイルを使っている。 洋食との融合だ。 韓国料理も同じだ。 ビビンパの語源のように(お互い異なる要素を融合しながら)グローバル化に進めばよい。 例えばビビンパに入る肉の種類や山菜の種類、辛さを各国の選みによって細分化するのも方法だ」



杉本貴志氏「韓食、グローバル化目指すなら伝統にこだわるな」(2)

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