ソウル中央地方裁判所民事合意１８部（部長判事イ・ビョンロ）は、睡眠麻酔の状態で手術を受けて死亡した４０代主婦Ａさんの夫と子供が外科医Ｂ氏を相手に起こした損害賠償請求訴訟で「１億４０００万ウォン（約１０５９万円）を支給せよ」と原告の一部勝訴判決を下したと３１日、明らかにした。

Ａさんは昨年７月、痔の手術を受けるためＢ氏が経営するソウルのある外科病院に入院した。Ｂ氏は手術前Ａさんに痛み止めペンタゾシンと鎮静剤ジアゼピンを順に注射した後、麻酔剤プロポフォールを１８０ミリグラム投与した。レーザーで患部をとり除く手術が終わった後、Ｂ氏が患者の状態を察すると、Ａさんはすでに呼吸と心臓の搏動が止まった状態だった。遺族たちは医療事故だとしＢ氏を相手に訴訟を起こした。

裁判所は「被告は適正量である３０～１２０ミリグラムを超えた麻酔剤１８０ミリグラムを一度に使って患者に一時的無呼吸状態が生ずる可能性を高めた」と明らかにした。続いて「手術中、患者の状態を継観察しなかった過失があった上、応急措置の時期まで逃して患者が死に至ったため、損害を賠償する責任がある」と付け加えた。