北朝鮮が2回目の核実験を行った。
これで、韓半島周辺の安保をめぐる情勢は以前とはレベルが変わることになった。
これまで北朝鮮の「核兵器保有」を公式に認めなかった国際社会は、嫌でも応でも北朝鮮を「実質的な核保有国」に見なさざるを得なくなった。最も懸念されていた厳重な事態が到来したのだ。
特に盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死去という惨めかつ悲痛な状況でとんだ目にあい、衝撃と危機感が並大抵のものではない。北朝鮮は先月、長距離弾道ミサイルの発射に対する国連安全保障理事会の非難について、「謝罪」しなければ核実験に踏み切る、と予告した。国際社会の圧力が自国を核保有国に追い込んだ、といった具合の合理化だ。
しかし実像は違う。核兵器という極端な手段を手に入れずには、桎梏(しっこく)に陥った北朝鮮体制を維持できない、と判断したものとみられる。生存に向けた最後の賭博であるわけだ。国際政治の本質と流れに無知な、近視眼的な誤判であり、軽挙妄動と言うほかない。北朝鮮の核保有は、北東アジア地域の超大国はもちろん、全世界のどの国も願わないことだ。
国際社会は北朝鮮が核をあきらめるまで、以前とは異なり、はるかに厳格かつ冷静に取り組んでいくことになるだろう。国連安保理から北朝鮮に対する本格的な制裁に乗り出すだろう。先月の飛翔体発射をめぐる安保理の制裁協議が、中国やロシアの消極的な姿勢のため、きちんと進展しなかった状況とは大きく異なるはずだ。
北朝鮮に対する非常に強力な制裁が採択されることが明らかである。国際社会がこれ以上、北朝鮮に対し、温情の手を差しのべなくなる場合、北朝鮮住民の苦痛は一層加重されることになる。それによって北朝鮮指導層への住民の不満が高まれば「2012年までの強盛大国」という目標も実現できなるかもしれない。当面は北朝鮮指導層が核実験の成功を祝い、祝杯を上げるかもしれないが、今後の数年間で祝杯は毒杯に変わる公算が大きい。
問題は韓国だ。「核保有国の北朝鮮」が安保に及ぼす影響力は「台風並み」である。至急韓国の安保対策を全面的に再整備すべきだ。韓国の通常戦力がいくら北朝鮮を圧倒するものだとしても、核兵器に対しては無策のままにすぎない。今すぐに韓国が核兵器を保有できる状況ではないから、米国による「核傘」に徹底的に頼るほかない。このため、韓米同盟はより一層緊密化されねばならない。
来月の韓米首脳会談で、オバマ米大統領の口で「韓国に対する核傘」の公約を再確認してもらうよう要請すべきだ。北朝鮮の開城(ケソン)工業団地も、同地に入居中の韓国企業と労働者が「南北(韓国・北朝鮮)関係の新たな未来を開く開拓者」ではなく、北朝鮮の「韓国への脅威に悪用される人質」と化する危険性が高まった。直ちに開城工団を閉鎖しなくても、最悪の状況を踏まえた対策を作らねばならない。
一次的には各企業の自主的な判断に撤収問題を任せるとして、一定レベル以上に緊張が高まれば政府が撤収を勧告し、実行できるようにすべきだ。万一の場合には一寸の狂いもなく早期かつ完璧に撤収が行われるよう、対策を打ち立てておくべきだ。長期的には、北東アジア地域に核がドミノ式に拡散する現象までも視野に入れざるを得ない。
北朝鮮の核放棄に向けた国際社会の努力が、これまでのように何の成果もなくさらに数年間長引くことになれば、日本も核武装の道へ向かうかもしれない。すでに日本は核武装に十分な技術と物資を保有している。もちろん今すぐに日本の核武装に触れるのは性急な側面がなくないものの、そうした状況が来る場合、北東アジア地域で核を持たない国は韓国だけとなる。それこそ破局の状況だが、韓国だけ手足が縛られたまま生きていくわけにはいかない。
政府の対策にはこうした最悪の状況も含まれるべきだ。2回目の核実験に踏み切った状況で、北朝鮮が核をあきらめる可能性は非常に薄くなった。それでも北朝鮮の核放棄は、韓国としては究極的にあきらめれない目標だ。「北朝鮮の核放棄」なく韓半島の和平定着、ひいては統一を想像できないからだ。したがって北朝鮮の核放棄を導き出すためのすべての案を講じなければいけない。
実行が可能な「ムチとニンジン」の手段を開発し、備蓄すべきだ。韓米同盟の強化を通じより一層強力な軍事対策を作り、北朝鮮に対する強力な制裁も辞さない、という構えでなければならない。同時に北朝鮮が妥協に応じる場合、それらを説得するのに十分な、多角化したシナリオも作っておくべきだ。
盧前大統領の死去と北朝鮮の核実験という二重の衝撃波で、万が一でも社会が大きな混乱に陥ることができる。しかし、こうしたときほど右往左往してはならない。政府も国民も、新しく迎えた危機に、冷徹に取り組めるよう知恵を集めるべき時点である。
【ニュース特集】注目される北朝鮮の動き
これで、韓半島周辺の安保をめぐる情勢は以前とはレベルが変わることになった。
これまで北朝鮮の「核兵器保有」を公式に認めなかった国際社会は、嫌でも応でも北朝鮮を「実質的な核保有国」に見なさざるを得なくなった。最も懸念されていた厳重な事態が到来したのだ。
特に盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死去という惨めかつ悲痛な状況でとんだ目にあい、衝撃と危機感が並大抵のものではない。北朝鮮は先月、長距離弾道ミサイルの発射に対する国連安全保障理事会の非難について、「謝罪」しなければ核実験に踏み切る、と予告した。国際社会の圧力が自国を核保有国に追い込んだ、といった具合の合理化だ。
しかし実像は違う。核兵器という極端な手段を手に入れずには、桎梏(しっこく)に陥った北朝鮮体制を維持できない、と判断したものとみられる。生存に向けた最後の賭博であるわけだ。国際政治の本質と流れに無知な、近視眼的な誤判であり、軽挙妄動と言うほかない。北朝鮮の核保有は、北東アジア地域の超大国はもちろん、全世界のどの国も願わないことだ。
国際社会は北朝鮮が核をあきらめるまで、以前とは異なり、はるかに厳格かつ冷静に取り組んでいくことになるだろう。国連安保理から北朝鮮に対する本格的な制裁に乗り出すだろう。先月の飛翔体発射をめぐる安保理の制裁協議が、中国やロシアの消極的な姿勢のため、きちんと進展しなかった状況とは大きく異なるはずだ。
北朝鮮に対する非常に強力な制裁が採択されることが明らかである。国際社会がこれ以上、北朝鮮に対し、温情の手を差しのべなくなる場合、北朝鮮住民の苦痛は一層加重されることになる。それによって北朝鮮指導層への住民の不満が高まれば「2012年までの強盛大国」という目標も実現できなるかもしれない。当面は北朝鮮指導層が核実験の成功を祝い、祝杯を上げるかもしれないが、今後の数年間で祝杯は毒杯に変わる公算が大きい。
問題は韓国だ。「核保有国の北朝鮮」が安保に及ぼす影響力は「台風並み」である。至急韓国の安保対策を全面的に再整備すべきだ。韓国の通常戦力がいくら北朝鮮を圧倒するものだとしても、核兵器に対しては無策のままにすぎない。今すぐに韓国が核兵器を保有できる状況ではないから、米国による「核傘」に徹底的に頼るほかない。このため、韓米同盟はより一層緊密化されねばならない。
来月の韓米首脳会談で、オバマ米大統領の口で「韓国に対する核傘」の公約を再確認してもらうよう要請すべきだ。北朝鮮の開城(ケソン)工業団地も、同地に入居中の韓国企業と労働者が「南北(韓国・北朝鮮)関係の新たな未来を開く開拓者」ではなく、北朝鮮の「韓国への脅威に悪用される人質」と化する危険性が高まった。直ちに開城工団を閉鎖しなくても、最悪の状況を踏まえた対策を作らねばならない。
一次的には各企業の自主的な判断に撤収問題を任せるとして、一定レベル以上に緊張が高まれば政府が撤収を勧告し、実行できるようにすべきだ。万一の場合には一寸の狂いもなく早期かつ完璧に撤収が行われるよう、対策を打ち立てておくべきだ。長期的には、北東アジア地域に核がドミノ式に拡散する現象までも視野に入れざるを得ない。
北朝鮮の核放棄に向けた国際社会の努力が、これまでのように何の成果もなくさらに数年間長引くことになれば、日本も核武装の道へ向かうかもしれない。すでに日本は核武装に十分な技術と物資を保有している。もちろん今すぐに日本の核武装に触れるのは性急な側面がなくないものの、そうした状況が来る場合、北東アジア地域で核を持たない国は韓国だけとなる。それこそ破局の状況だが、韓国だけ手足が縛られたまま生きていくわけにはいかない。
政府の対策にはこうした最悪の状況も含まれるべきだ。2回目の核実験に踏み切った状況で、北朝鮮が核をあきらめる可能性は非常に薄くなった。それでも北朝鮮の核放棄は、韓国としては究極的にあきらめれない目標だ。「北朝鮮の核放棄」なく韓半島の和平定着、ひいては統一を想像できないからだ。したがって北朝鮮の核放棄を導き出すためのすべての案を講じなければいけない。
実行が可能な「ムチとニンジン」の手段を開発し、備蓄すべきだ。韓米同盟の強化を通じより一層強力な軍事対策を作り、北朝鮮に対する強力な制裁も辞さない、という構えでなければならない。同時に北朝鮮が妥協に応じる場合、それらを説得するのに十分な、多角化したシナリオも作っておくべきだ。
盧前大統領の死去と北朝鮮の核実験という二重の衝撃波で、万が一でも社会が大きな混乱に陥ることができる。しかし、こうしたときほど右往左往してはならない。政府も国民も、新しく迎えた危機に、冷徹に取り組めるよう知恵を集めるべき時点である。
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