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【ニュース分析】尊厳死、法制定が大きな課題

 最高裁が尊厳死を認め、97年ボラメ病院事件以来12年間続いてきた論争に終止符を打った。最高裁は3つの延命治療中断(尊厳死)許容基準を提示した。▽患者が回復不可能な死亡段階に入る▽延命治療の中断に対する患者の事前医療指示が必要▽死亡段階に入ったかどうかは専門医らで構成された委員会が判断する--だ。

その間、医療現場では処罰を甘受して延命治療を中断してきた。ソウル大病院は07年、末期がん患者の85%に対してこのような措置を取った。三星ソウル、セブランス、ソウル峨山(アサン)病院も心肺蘇生術禁止要請書を活用している。しかし基準はそれぞれ異なる。こうした点を考慮し、最高裁が大きな枠組みで原則を提示した。

今回の判決をきっかけに尊厳死法制化は進むだろうが、難関が多い。まず「回復不可能」の概念から意見が分かれる。米国のワシントン・オレゴン州は医師2人が残余生存期間を6カ月以内と判定した患者に尊厳死を適用する。今回、安大熙(アン・デヒ)、ヤン・チャンス最高裁判事は患者の期待余命が少なくとも4カ月以上という点を挙げて、「回復の可能性がない」という多数意見に異議を唱えた。


対象も問題だ。今回の訴訟の患者キムさん(77、女性)は植物状態だ。ソウル大病院は18日、尊厳死を認め、末期がん患者に対象を限定した。植物状態でもさまざまな場合があるため、尊厳死の対象と見なすかどうかは医療界でも意見が分かれる。

延命治療の範囲も同じだ。心肺蘇生術の拒否と人工呼吸器の中止は大半が同意するが、栄養供給の中止などでは反対意見も多い。尊厳死が経済的弱者に乱用される恐れがあり、基準を厳格に定める必要がある。ソウル大病院が18日に出した事前医療指示書や国会で審議中の尊厳死法案が米国やドイツに比べてやや緩いという指摘がある。

一方、97年以降、米オレゴン州で「尊厳死」を選んだ401人のうち大卒以上が60%、白人が98%である点を挙げ、必ずしも低所得層が乱用するわけではない、という主張もある。代理人に決定権を与えるか、与えるならどんな方法で代理人を決めるかも意見が分かれる。

延世(ヨンセ)大のキム・ソユン教授は「法を作るまで大韓医学会が事前医療指示書と‘回復不可能’の基準などを提示してこそ混乱を減らせる」と述べた。

尊厳死が正しく施行されるにはホスピスを拡大しなければならない。しかしサービス機関(34カ所)が不足し、延命治療を中断・拒否する患者が利用できない可能性が高い。



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