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俳優ユン・テヨン「大企業副会長の息子? 底辺からはい上がってきた」



野球で言えば中間リリーフから先発陣に合流したことになる。デビュー13年、目立つほどの剛速球(彫りの深いスタイル)も、多彩な変化球(多彩な変身)も備えていない方だった。前作「太王四神記」で見せた印象深い制球力(キャラクター密着)のおかげで得た初の先発(主演)登板。俳優ユン・テヨン(35)にとってそれは「9回裏まで責任を持つという、これまでと同じ気持ちのレースなだけ」だ。

◆男の夢「カササギ」役に幸せ=ユン・テヨンの初主演となるドラマ「2009外人球団」は、空前のヒットを記録した李賢世(イ・ヒョンセ)の漫画「恐怖の外人球団」(1983)が原作だ。当代のジェームス・ディーン、チェ・ジェソンが主演した同名の映画(1986)をユン・テヨンも普通の少年たちのようにわくわくして見た。「カッチ(=カササギ)」として出演依頼が来たとき、「二度考えることなく承諾」したほどに魅力的な「男のロマン」だ。4回まで放映されたいま、原作の現代的再構成による好き嫌いはあるが、とがったカササギのような頭に孤独な憤怒を込めるユン・テヨンのまなざしは合格だと評価を受けている。


13日に水原(スウォン)野球場の撮影現場で会ったユン・テヨンは、「反抗児のカササギを演じるにはやや老練ではないか」との質問に、「2年間1つの作品に専念できる俳優は多くない」と笑わせた。「『太王四神記』のときは3年、この作品では2年にすべてを賭けています。演技者なら代役なしで自分の役に忠実でなければとの思いから準備期間が長くかかる方なので」。

今回の作品のためにも1年あまりかけて投球フォームから訓練した。ドラマでカササギが負傷で右腕から左腕投手に変えようとするため両腕を使わなくてはならなかった。最も大変だったシーンも手錠をかけて原っぱを引きずり回される「地獄の訓練」ではなく野球のシーンを選んだ。多角度からカメラで撮影する間、数時間にわたり静止動作を繰り返さなければならなかったためだ。

◆底辺からはい上がってきた=カササギ、マ・ドンタク(パク・ソンミン)とオムジ(キム・ミンジョン)、ヒョンジ(ソン・アヨン)姉妹の四角関係に照明を当てるのに初盤を使った「外人球団」は、今後地獄の訓練が始まるなど本格的なレースを開始する。「狂気と執着があふれる自分だけのカササギ」ももうすぐ始まる。

ユン・テヨンには米国留学派、大企業副会長の息子というレッテルがつきまとう。「外人球団のハングリー精神を見せるには恵まれすぎではないか」と尋ねた。ユン・テヨンは上気した表情で答えた。「演技者としては落伍者と変わらない底辺からはい上がってきた。死ぬほど演技し、それで評価を受けられればいいです」。ユン・テヨンはドラマの中のカササギのように孤独で強く見えた。



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