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【社説】「対北政策、保守・進歩の公分母を拡大しよう」

この10年間の北朝鮮関連政策ほど韓国内の対立を誘発した懸案もなかっただろう。

保守と進歩に政権が変わることによって、北朝鮮に対する認識と安保意識をめぐり深刻に対立する状況が継続した。特に相手の主張は無条件排撃しようとする「教祖主義」まで加味し、状況がより悪化した。こうした点から民族和解協力汎国民協議会と中央日報が昨日主催した討論会は有意義だった。保守と進歩を網羅し、国民的な共感を得られる対北政策を模索したからだ。特に「保守派と進歩派が共有できる“中間領域”からほど遠い対北政策は安定的に進められない」なという注目すべき見解も示された。

70年代以降に始まった南北(韓国・北朝鮮)交渉を見てみると、政権次第で、北朝鮮に優先的な譲歩を要求、または一方的に譲歩するパターンを見せた。その結果、保守派と進歩派の間で、政府の対北政策をめぐる賛否両論が絶えず、対北政策は政権交代によって一進一退した。現政権が発足した後も同じだった。


南北関係の悪化に対し、進歩派は現政権の対北政策を強く批判する。しかし金剛山(クムガンサン 北朝鮮南東部の観光地)で韓国人女性観光客が射殺された事件や長距離弾道ミサイルの実験発射など責任はむしろ北朝鮮が取るべきだという点から、そうした批判に共感するのは難しい。それにもかかわらず、かつて活発化していた南北交流が事実上中断されたのも同然な現在の膠着(こうちゃく)状態が多くの懸念をもたらしているのも事実だ。

もちろん対北政策をめぐる韓国内の対立を克服するのは容易なことではない。理念的な志向による隔たりが大きい上、歴代政権が対北政策を国民的な合意なく一方的に押し通したため、対立が深まったからだ。しかし、内部の対立を放置したまま北朝鮮問題に取り組んでいたら、北朝鮮の「撹乱策」に振り回されることになるほかない。

対立の解消に向けた社会的な努力が必要とされる。「平和、統一、北朝鮮住民の複利の増進、非核化」などといった保守と進歩の間に隔たりがない公分母を見いだし、拡大していくのもひとつの方策になり得る。政府もこうした点に留意し、対北政策を進める際、国民の合意を引き出すためにもう少し努めてほしい。



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