|
イ・サムソン著、ハンギル社
第1巻676ページ・3万ウォン(約2400円)、第2巻844ページ・3万3000ウォン
久しぶりに出会ったスケールの大きな本だ。 古代から近代まで東アジア全体の国際秩序とその枠組みでの韓半島の歴史、西欧の新しい近代的な外交秩序、そして今日の韓米関係にいたるまで…。 第1・2巻を合わせて1500ページを超えるが、分科学問でいうと東洋史・西洋史・韓国史・国際政治学・米企業を包括する。 一人の著者が書いたものだ。 説得力もある。 問題意識はこうだ。 いつまで顕微鏡(分科学問)にこだわってさ迷うのか。一度くらいは望遠鏡で広い視野を確保する必要があるのでは。したがって著者イ・サムソン氏(翰林大教授)のは‘密’の方法よりも‘疏’の方法を選んだ。
著者の専攻は米国外交と国際政治。 そういえば韓国はなぜ米国ばかり見ているのかと疑問が生じた。 誤解してはいけない。 反米感情、そのような運動レベルのことではない。 対米関係を韓国外交のすべてだと考える信仰化(著者は‘イデオロギー化’という言葉を使用)には‘族譜’があるのではないか。旧韓末まで中国外交に集中し、西勢東漸の流れを逃した事例の話だ。
このため中国を中心にした前近代の国際秩序(中華秩序)を振り返り、その特殊性を把握するために近代西欧のシステムと比較し…。 非常に自然な流れだ。 著者によると、中華秩序は「伝統時代の東アジアが創案した国際規範」だが、それなりに立派に作動した。 朝貢と冊封体制という国際規範は自律性を維持する平和体制だった。 問題はわれわれだ。 すっかり中毒したまま中華秩序を世界観であり宇宙論の次元で受け入れた。
中国中心の華夷観に忠実だったため、「中華秩序の外側」に目を向けなかった。 仁祖政権が力を失った明にこだわり、新興勢力の後金をきちんと評価できず、丙子胡乱を招いたのが代表的な例だ。 隣国の日本を含む西欧勢力の躍動的な変化も逃した。 19世紀末、それが決定的な分岐点だった。 植民地への墜落は避けられなかった。
この時に登場した近代西洋はどうだったのか。勢力が似ている欧州国家間では主権平等に基づいた国際秩序を発展させたが、韓国・中国などアジアには植民主義秩序を強要した。 中華秩序よりも露骨な搾取のシステムだった。 『東アジアの戦争と平和』の論点は十分に説得力がある。 しかし問題もある。 多くの話がどこかで聞いたことのある話だ。 しかしまだ判断するのは早過ぎる。 近く登場する第3巻に期待してみる。
|
この記事を読んで…