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【社説】為替効果に安住していては景気回復は難しい

最近の証券市場と不動産市場の上昇傾向に次いで主要輸出企業の第1四半期業績が予想外に良好なものと示され、韓国経済の早期回復に対する楽観論が増えている。景気回復の兆しが株式と不動産など資産市場の上昇傾向だけでなく、看板輸出製造業の業績好転という実体部門の回復傾向として後押しされているということだ。世界的な景気低迷の中でも韓国の輸出企業が善戦しているのは立派なことだ。これら輸出企業が支えているからこそ韓国経済が相対的に景気低迷にうまく打ち勝っているというのもまた事実だ。しかし昨今の輸出好調を見て景気回復を断定するには不安な部分があまりに多い。なにより韓国の輸出企業の業績が為替の変動に大きく左右されているという事実のためだ。

LG経済研究院が出した「最近のグローバル企業と韓国企業の経営成果」と題する報告書は、最近の国内企業の業績好転が為替効果に大きく依存していることを端的に示してくれる。報告書は自国通貨基準で米国・日本・欧州の企業は昨年の売上増加率がすべて下がったが、韓国企業は昨年の売上増加率が前年の13.2%から24.3%と大きく上がったと明らかにした。しかしここから為替効果を除くと韓国企業の売上高増加率は主要先進国企業に比べ大幅に落ち込んでいると分析された。韓国企業の業績が昨年のウォン急落による部分が大きいという点が如実に現れたのだ。

ウォン安による業績好転はウォン高に振れると正反対に作用する。最近のウォンが上昇傾向を示していることから電子・自動車など主要輸出企業の業績悪化に対する懸念が大きくなっているのが端的な例だ。為替相場のおかげで改善していた業績は結局為替相場のために崩れるしかない。ウォンが1ドル=1300ウォンから1200ウォンに上がれば、国内上場企業の第2四半期の営業利益は12%減少するという分析も出された。一部証券会社ではウォンが1ドル=1200ウォンになった場合には第1四半期に黒字を出した三星(サムスン)電子の営業利益が半分になると予想している。


結局、為替効果による業績改善や世界市場でのシェア拡大には限界があるだけでなく、ともすれば景気回復に対する錯視現象だけを呼び起こす懸念が大きい。シーソーのように変わる為替相場に頼り業績好調は長く続かないだけでなく、企業の競争力強化の努力にむしろ毒になりかねないという話だ。解決策はひとつだ。為替変動に左右されなくてもよいほどに競争力をつけることだ。為替変動に備えることは必要だが、為替に企業の運命をかけてはだめだということだ。そうするならば個別企業レベルはもちろん、事業単位でも構造調整に拍車をかけなくてはならない。個別企業はコスト削減と技術開発を通じ不断に競争力を高める努力を傾けなくてはならない。これとともに産業別構造調整も急ぐべきだ。各産業内の効率とバブルを速やかに取り除かねば景気回復を前倒しすることはできない。



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