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ネクソンには「最初」という修飾語が多く付けられる。国内初のグラフィックオンラインゲーム「風の国」(1995年)の発売、国産国民的ゲーム第1号の「カートライダー」(2004年)発売…。昨年には業績でも国内売上最大のゲーム企業になった。
いまや韓国市場が手狭になったネクソンは、世界的なエンターテインメント会社と組んで海外に飛び出そうとしている。米ディズニーや日本の任天堂のような錚々たる会社との提携を望んでいる。こうした積極経営を中心で支えているのがネクソンの創業者の金正宙(キム・ジョンジュン)NXC(旧ネクソンホールディングス)代表だ。失敗をほとんど知らない「不敗の経営者」という点から今回のプロジェクトの帰趨が注目される。ネクソンは今年、グローバル経営を強化し海外支社を含め連結売上5000億ウォン(約396億円)突破を目指している。昨年の業績は連結売上4508億ウォン、営業利益1439億ウォンだった。良いパートナーと「ウィンウィン」の体制を構築しようとする過程で、「会社がディズニーに売られるらしい」「任天堂と提携する」などのうわさが盛んに出ていた。ソウル・光化門(クァンファムン)で会った金代表は、「すぐに会社を売却するより、共同事業戦略を立てている」と明らかにした。
1次攻略の舞台は日本だ。オンラインゲーム宗主国の看板企業として、最近米国進出を図ったものの、ゲーム文化が違うためか成果は上がらなかった。金代表は、「飽和状態の国内市場で国産ゲーム同士が無理な競争をしないのがよい。日本が第2の内需市場だという覚悟で乗り出す」と話す。ディズニーと任天堂は日本市場攻略の橋頭堡ということだ。ディズニーはアニメーション大国の日本でディズニーランドというエンターテインメントタウンを建設し成功している。任天堂は日本の看板ゲーム会社だ。ディズニーはアニメーション後の次世代成長エンジンのひとつとしてゲーム事業を念頭に置いている。任天堂もネクソンのカジュアルゲームをニンテンドーDSに移植できるだけのコンテンツと判断しているという。ネクソンは経営実績だけみればすでに以前から企業公開をすべきだった。毎年20%前後の成長率を示した末に昨年は売上2610億ウォンとなり、それまで業界トップだったNCソフトの2402億ウォンを上回った。営業利益は968億ウォンに達し、利益率もまた驚くほどの水準だ。実際、収益性の面ではNCソフトを上回って久しい。
◆金正宙とネクソン=ソウル大学コンピューター工学科を出てKAIST電算学博士課程を修了した。1994年にネクソンを創業し、ヒットゲームを相次いで送り出した。国民的ゲームと呼ばれる「カートライダー」はリリースされた2004年末にオンラインゲームの帝王と呼ばれた「スタークラフト」(米国)を押さえ国内アクセストップに躍り出た。2006年には持ち株会社のネクソンホールディングスを設立し、今年になり本社を済州島に移転した。昨年にはRPGゲーム「ダンジョン・アンド・ファイター」を開発したネオプルを買収している。
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