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【取材日記】PD手帳が作った「暴力デモの国、韓国」

最近、検察の「PD手帳」制作陣捜査とろうそくデミ再開のニュースをヨーロッパのメディアを通じて見ながら、ふと「コミュニケーションの独裁」という本を思い出した。ル・モンド・ディプロマティーク編集長を務めたイグナシオ・ラモネ氏が数年前に書いた本だ。ラモネ氏はこの本でテレビが提供する情報の落とし穴を指摘した。彼はテレビ報道番組が見せる多くの映像は、ひとつの新しい「感性的情報」を作り出すと説明した。その情報が本当であれウソであれ視聴者はその情報の奴隷になりやすいというのだ。テレビ映像は、千の言葉よりもっと大きな影響力を持っているからだ。

PD手帳は、昨年、へたりこむ牛とそんな牛を食べて死んだかのように描写されたある黒人女性の母親がむせび泣く場面を見せた。これは韓国民に数千の言葉よりはるかに大きな怒りと恐怖心をあおった。しかしこんな映像の調合物が作った感性的情報は偽りであることがわかった。ラモネ氏の理論によるとPD手帳が「メディアの独裁者」となって全国民を虚偽情報の奴隷にしたわけだ。ところでまだPD手帳の関係者たちは、まるで独立闘士にでもなったかのようにふるまっている。

それより重要なことはPD手帳と、これにより起こった「ろうそくデモ」が国外でまで映像の独裁効果を作り出したという点だ。昨年、ろうそくデモ後、外国のテレビに常に登場したデモの場面が、世界の人の頭の中に我が国を暴力デモが絶えない不安な国として洗脳しているのだ。


先日、韓国経済の見通しを聞くためにフランスのあるアジア経済専門家に会った。彼は「韓国経済は底力があって容易に崩れない」と言いながらも「デモが絶えない不安な政治状況が変数」と言った。彼の頭の中にはフランスのテレビで数カ月間放送したろうそくデモと暴力デモの映像が占めていたのだ。ろうそくデモ1周年を迎え、ソウルがまた乱れているようだ。これ以上名分のない行動が世界の人の頭の中に大韓民国を「暴力デモの国」として固着させなければと思う。



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