最高検・中央捜査部は盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領の逮捕状を請求するだろうか。

捜査チームは１日未明、盧前大統領への事情聴取の結果を林采珍（イム・チェジン）検察総長に報告した。検察は盧前大統領への被疑者尋問（逮捕状実質審査）の調書を検討した後、逮捕状を請求するかどうかを決める。早ければ２－３日中にも決まるとみられる。しかし１週間以上かかるかもしれない。逮捕状の請求をめぐり、検察内部はもちろん国民の世論も分かれるからだ。

林総長を含む検察高官らは「国民の支持がなければ、検察が逆風を迎えるかもしれない」という危機意識を持っている。洪滿杓（ホン・マンピョ）最高検捜査企画官は「これまでの捜査結果を検討して最終的に決める」と述べた。現在の状況では何も決まっていないということだ。盧前大統領の逮捕状を請求する問題について捜査チームを除いた検察内部では「在宅起訴にすべき」と意見が説得力を増している。「大統領経験者への礼遇、国の品格、事件の性格－－などを踏まえ、在宅起訴が望ましい」ということだ。


林総長に助言した各界のリーダーら、現職の検察幹部や元検察幹部らもこうした意見を表したものとされる。相当数が「“国家の品格”を考え、逮捕にこだわる必要はない」と話したという。これについて最高検スポークスマン室は逮捕状の請求をめぐる国民の世論を林総長に随時報告している。中央日報が先月２８日に行ったアンケート調査でも「大統領経験者への礼遇という側面から、在宅起訴にすべき」という意見が多かった。

また検察が請求した逮捕状が裁判所で棄却された場合、検察の負担が大きくなるという点も、逮捕捜査を戸惑わせる要因とされる。半面、捜査チームの気流は少し異なる。「一般的に事件を処理する基準に基づき、逮捕状を請求しなければいけない」という原則論を強調している。「権力者が介入した不正事件」に対し、検察の厳正さを象徴的にアピールさせるべきだということだ。

３０００万ウォン（約２３０万円）以上の賄賂（わいろ）授受容疑に対し逮捕状を請求する、検察の事件処理の慣行に従うべきだ、という意見もある。しかし捜査チームのこうした雰囲気をそのまま受け入れるのはむずかしい。名分を積むために原則論を強調するものと受け止められかねない。在宅起訴の捜査を批判する世論を事前に遮断する意味もある。また指揮の体系がはっきりとしている検察のシステムから考えて、捜査チームが検察高官の決定に反旗を翻す可能性は低いようだ。

林総長は捜査チームが最終的に決めたものの報告を受けた後、最高検を含む全国の検察幹部らの意見を聴取する手続きを踏むものとみられる。「総長が独断に事件処理の方向を決めた」という批判をされないからだ。