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【社説】豚インフル「狂牛病」の二の舞演じず、じっくりと対処すべき

国内でも豚インフルエンザ推定患者が出たのに続いて感染が疑われる患者数がますます増え、不安が大きくなっている。保健所ごとに予防薬の購入についての問い合わせが増え、豚肉消費も大きく下がったという。豚インフルが高度の警戒心を発揮して対処しなければならない危機であることは明らかだ。新種の伝染病である上に重度急性呼吸器症侯群(SARS、新型肺炎)の時より伝染の速度がずっと早いからだ。世界保健機関(WHO)が伝染病警報体系を作ってから初めて警報水準を4段階に格上げしたのもそのためだ。現時点で豚インフルが世界的な伝染病に広がる危険が大きく増加したと判断したのだ。

しかし軽く考えてはいけない。必要以上の恐怖心はまた別の危機を呼びこむだけだ。我々は昨年、狂牛病事態でこれを十分に学習した。へたりこむ牛の動画とともに韓国人が人間狂牛病(vCJD、変種クロイツフェルトヤコプ病)にかかった確率が94%にのぼるという不確実な主張が放送され、国民の恐怖心を刺激した。インターネットもこれに乗じて米国産牛肉を食べれば皆狂った牛のように脳に穴があいて大変だなど、悪いうわさを拡散させて全国を恐慌状態に陥れた。そのせいで社会が分裂し、国家的経済損失だけでも数兆億ウォンに達したというのは周知の事実だ。

豚インフル事態に対処しながらそんな二の舞を演じてはいけない。保健当局と専門家たちの勧告どおり、該当の地域を旅行した人の中で疾病が疑われる人はすぐにも届け出て、検査を受ければいい。患者に明らかされても適切な治療を受ければ好転する。推定患者と分類された50代の女性患者もタミフル投薬後、状態が好転している。一般人はほかのインフルエンザと同様、手をきちんと洗って疲れないように気をつけるなど、予防の決まりを徹底的に守ればいいのだ。


豚インフルが豚肉を食べることと無関係なのにもかかわらず、豚肉消費を忌避する風潮も感心しない。狂牛病波動時、韓牛消費まで急減したため、罪もない韓牛飼育農家たちが大きな打撃を受けた。なおさら経済も厳しいのに無駄な先入観で養豚農家や外食業界の被害を受けることは阻まなければならない。そんな点で豚を思い浮かべるような名称を変えようという国内外の指摘にも一理あるように見える。一部ではメキシコインフルエンザ(MI)に変えようという立場である一方、特定国家に対する偏見を助長することがあるという反論もある。国際社会が絶妙の代案を見つけ、根拠のない恐怖と偏見による副作用を最小化しなければならない。

政府は徹底的な検疫と追跡の調査で信頼を与え、国民は静かに理性的な対処で協力する危機克服の新しいモデルを定立してほしい。



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