数日前、香港大学で北東アジアの政治学を講義する、ある中国人教授と夕食をする途中、突然の質問に当惑した。
「韓国にも“半官営団体(民間団体)”があるのか」(教授)。
「数百にのぼるのでは…」(記者)。
「なのに、最近なぜ南北(韓国・北朝鮮)の緊張局面が続くのか」(教授)。
「…」(記者)。
「両岸(中国と台湾)が、何も考えず半官営団体を前面に出していたわけではない。政府が出ると、互いの“政策”と“原則”を重視することになるが、民間が会えば“現実”に集中する。共感できる部分がそれだけ広くなる」。
「現実とは何か」。
「当面した経済だ」。
南北関係の停滞を解消する上で、両岸の対話チャンネルとなっている半官営団体、すなわち中国の海峡両岸関係協会(海協会)と台湾の海峡交流基金会(海基会)の会談を参考にすべきだ、ということだ。記者が異義を申し立てた。
「陳水扁政権時代の8年間、両団体の対話が中断されていたのでは」。
「公式の対話がなかっただけで、接触は続いていた。当時、台湾の中国への投資は前政権時代より、はるかに多かったはずだ」。陳総統が台湾の独立を求め中国と対立したものの、両岸の経済協力はより進んだ、という説明だ。
「しかし両岸関係より南北の対話の方がはるかに複雑で難しい。核問題と朝米問題に加え、北朝鮮軍部の強硬派など…」。
「両岸関係だってそうだ。1000基にのぼる中国のミサイルが台湾を狙っており、台湾も軍備を増強している。ここに米国と台湾、米国と中国の問題も絡んでいる」。同氏は両岸問題がむしろ南北問題より、より複雑だと強調した。
「両岸の政府は、どのように交渉をサポートしているのか」。
「最近、温家宝・中国首相と馬英九・台湾総統が両岸の平和と発展に向けた、16字の方針を発表した」。「未来へ向かい(面向未来)、過去にたまった感情を捨てて(捐棄前嫌)、互いの協力を緊密化し(密切合作)、手を取り合ってともに進もう(携手進)」。温首相が今月18日、ボアオ・アジア・フォーラム(博鰲アジアフォーラム)に出席した台湾代表団に会った席で明らかにした両岸関係の原則だ。
1日前に馬総統はボアオへ向かう台湾代表団に、中国との関係を次のように要約した。「ともに厳しさを乗り越え(同舟共済)、互いに見守り(相互扶持)、協力を深め(深化合作)、ともに未来を開こう(開創未来)」。いずれもが結局“中国は一つ”という修辞だ。国民に「中国と台湾が共同体」という確信を植え付けろ、ということだ。
今月26日、中国の南京で開かれた海協会と海基会の会談は金融と直航など3項目で一致した。分断から60年ぶりの最大の慶事だと評価される。北朝鮮・開城(ケソン)工業団地問題が膠着(こうちゃく)状態にある。政府間の対話は核問題などとかみ合って、容易に合意点を見出しにくい。
だから言う言葉だが、政府がもう少し下がってみたらどうだろうか。その代わり、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)や貿易協会が出てもよく、民間の経済団体が先頭に立ってもいい。この厳しい時期に南北経済界の関係者が集まれば、少なくとも理念に先立ち、経済から心配することになるのではないだろうか。これらの「現場での対話」が、うんざりさせる南北間の対立を解消する妙薬になるかもしれない。
「韓国にも“半官営団体(民間団体)”があるのか」(教授)。
「数百にのぼるのでは…」(記者)。
「なのに、最近なぜ南北(韓国・北朝鮮)の緊張局面が続くのか」(教授)。
「…」(記者)。
「両岸(中国と台湾)が、何も考えず半官営団体を前面に出していたわけではない。政府が出ると、互いの“政策”と“原則”を重視することになるが、民間が会えば“現実”に集中する。共感できる部分がそれだけ広くなる」。
「現実とは何か」。
「当面した経済だ」。
南北関係の停滞を解消する上で、両岸の対話チャンネルとなっている半官営団体、すなわち中国の海峡両岸関係協会(海協会)と台湾の海峡交流基金会(海基会)の会談を参考にすべきだ、ということだ。記者が異義を申し立てた。
「陳水扁政権時代の8年間、両団体の対話が中断されていたのでは」。
「公式の対話がなかっただけで、接触は続いていた。当時、台湾の中国への投資は前政権時代より、はるかに多かったはずだ」。陳総統が台湾の独立を求め中国と対立したものの、両岸の経済協力はより進んだ、という説明だ。
「しかし両岸関係より南北の対話の方がはるかに複雑で難しい。核問題と朝米問題に加え、北朝鮮軍部の強硬派など…」。
「両岸関係だってそうだ。1000基にのぼる中国のミサイルが台湾を狙っており、台湾も軍備を増強している。ここに米国と台湾、米国と中国の問題も絡んでいる」。同氏は両岸問題がむしろ南北問題より、より複雑だと強調した。
「両岸の政府は、どのように交渉をサポートしているのか」。
「最近、温家宝・中国首相と馬英九・台湾総統が両岸の平和と発展に向けた、16字の方針を発表した」。「未来へ向かい(面向未来)、過去にたまった感情を捨てて(捐棄前嫌)、互いの協力を緊密化し(密切合作)、手を取り合ってともに進もう(携手進)」。温首相が今月18日、ボアオ・アジア・フォーラム(博鰲アジアフォーラム)に出席した台湾代表団に会った席で明らかにした両岸関係の原則だ。
1日前に馬総統はボアオへ向かう台湾代表団に、中国との関係を次のように要約した。「ともに厳しさを乗り越え(同舟共済)、互いに見守り(相互扶持)、協力を深め(深化合作)、ともに未来を開こう(開創未来)」。いずれもが結局“中国は一つ”という修辞だ。国民に「中国と台湾が共同体」という確信を植え付けろ、ということだ。
今月26日、中国の南京で開かれた海協会と海基会の会談は金融と直航など3項目で一致した。分断から60年ぶりの最大の慶事だと評価される。北朝鮮・開城(ケソン)工業団地問題が膠着(こうちゃく)状態にある。政府間の対話は核問題などとかみ合って、容易に合意点を見出しにくい。
だから言う言葉だが、政府がもう少し下がってみたらどうだろうか。その代わり、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)や貿易協会が出てもよく、民間の経済団体が先頭に立ってもいい。この厳しい時期に南北経済界の関係者が集まれば、少なくとも理念に先立ち、経済から心配することになるのではないだろうか。これらの「現場での対話」が、うんざりさせる南北間の対立を解消する妙薬になるかもしれない。
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