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【社説】オバマ-チャベス両首脳の握手、そして北朝鮮…

昨日、各紙にオバマ米大統領とチャベス・ベネズエラ大統領が握手する写真が掲載された。今月17-19日、カリブ海のトリニダード・トバゴで南北アメリカ34カ国の首脳が参加した米州機構(OAS)首脳会議(米州サミット)で、オバマ大統領はスペイン語で、チャベス大統領は英語で対話し、手を取り合った。変化した世界を象徴するこの写真を見ると、われわれは苦しい気持ちで北朝鮮のことを考えてしまう。「反米同盟の盟主」と自任してきたチャベス氏ともオバマ氏が握手する状況の中、北朝鮮はむしろこうした流れに逆行しているからだ。

06年9月、国連総会の演説でチャベス氏は「昨日、悪魔がこの席を訪れた。いまだ演壇から硫黄のにおいがするようだ」という侮辱の言葉で当時のブッシュ米大統領を攻撃した。一方主義の外交を目指す米国とチャベスの和解はとうてい想像できないものと考えられてきた。しかしオバマ大統領は「米国はかつての失敗を認める意向がある」と腰を低めて先に握手を要請し、チャベス大統領は「あなたの友達になりたい」と手を握った。

オバマ政権の米国はブッシュ政権の米国と明確に異なる道へ進んでいる。軍事力に基づくハードパワーに、米国の魅力を発散するソフトパワーが結びついた「スマート外交」で世界に手を差しのべ、他人の話に耳を傾ける姿勢を見せている。オバマ大統領はイランとシリア、ロシアと欧州、キューバとベネズエラ、パキスタンとアフガニスタンにいたるまで、全方向に和解のメッセージを送っている。イランにはウラン濃縮を当分認める条件で対話を提案し、キューバ系米国人に対する送金・旅行規制を撤廃した。


「私が先に手を差し伸べるから応じてほしい」という「オバマ・ドクトリン」によって世界各地で対話ムードが形成されつつあるが、北朝鮮だけが唯一の例外となっている。オバマ政権発足以降、さまざまな方法で北朝鮮にも和解のシグナルを送ったが、戻ってきたのは「長距離ロケットの発射」と「国際原子力機関(IAEA)査察要員や米国務省要員に対する退去命令」だった。オバマ政権の外交アジェンダで北朝鮮の優先順位を高め、交渉力を確保する狙いだろうが、これは明白に北朝鮮の判断ミスだ。手を差し伸べる相手に平手打ちを食らわしていては対話も交渉もできるはずがない。このチャンスを生かせず時間を無駄にした場合、北朝鮮は今後必ず後悔することになる。すでにオバマ陣営が北朝鮮に憤怒しているという声も聞こえている。今後も瀬戸際戦術を展開し続けるのが果たして賢明なことなのか、北朝鮮は慎重に検討しなければならない。



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