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昨年、中国ゴビ砂漠で2700年前に死んだ男の墓が発見された。革の袋の中に入った大きなマリファナの包みも一緒にあった。人々が細かくよく選んで入れてくれたものだった。中国科学院研究チームは当時、人々もマリファナを燃やして煙を吸っていたものと推定した。古代から布や綱の材料として使われ、幻覚剤としても長年の歴史を持っているが、マリファナ喫煙をめぐる賛否論難は冷めることがない。
2007年春、米国カリフォルニア大学研究チームは、マリファナがエイズウイルス(HIV)感染者の慢性的な足の痛みを緩和するのに役立つと明らかにした。米国ハーバード大学医学部研究チームは、肺腫瘍を縮小し、肺がん細胞増殖を抑制する効果があるという研究結果を出した。しかしマリファナを吸えば精神分裂症を起こす可能性が高いという研究結果もある。幻覚を起こすTHC(テトラヒドロカンナビノール)成分が炎症、痛み、不安を鎮めるが、時間と空間知覚能力、視覚・聴覚を落とす。マリファナはタバコ5箱を吸うぐらい肺に有害だ。フィルターを使わない上に煙をずっと深く吸いこんで、かなり長い間、ためて噴き出すからだというのだ。幻覚・幻聴状態で凶悪犯罪を起こす危険性も高くなる。
昨年7月からオランダのレストラン・カフェ、居酒屋などの公共の場所ではタバコを吸うことができなくなったが、許可を受けたカフェでは依然としてマリファナを吸うことができる。ニュージーランドでは痛み止めに使わせてほしいという要求が多い。カリフォルニア州など米国12州でも医療目的として使うことは許容している。昨年、ロサンゼルスにはマリファナ自動販売機まで登場した。
しかし米国連邦法ではマリファナの所有と使用を禁止している。米国政府が国境警備を強化すると、メキシコ麻薬組職は米国国内国立公園で大麻を大量栽培し、結局、麻薬取り締まり局に摘発された。今年に入って国内でもアパートやオフィスで大麻を密かに栽培した人々が検挙されている。明るい太陽の下ではよく育つ植物だが、人知れず室内で栽培するのは容易ではない。光を与えて適当な温度・湿度を合わせるために相当な装置を揃えなければならなかった。電気料金も多くかかったようだ。絶滅の危機の植物を育てるような真心がこもっていたはずだ。
一部では大麻が二酸化炭素をたくさん吸収し、大麻の種油はバイオディーゼルに、茎は環境にやさしい繊維材料に使用できるので積極的に奨励しなければならないと主張する。
THC成分がない大麻の品種を広く植えて地球を救おうという主張が受け入れられるためには、マリファナで幻覚パーティーをするという人がいてはいけないのではないか。
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