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【社説】さらなる疑惑を招いただけの「チャン・ジャヨン事件」捜査

タレントのチャン・ジャヨンさんが自殺する前に作成した文書がマスコミに公開された後、警察が再捜査を始めて1カ月が過ぎた。 その間、警察が収めた実績はチャンさんの元マネジャーを出版物による名誉棄損容疑で書類送検しただけだ。 にもかかわらず警察は「参考人60人ほど調査し、13万件の通話内容を分析し、20カ所以上を家宅捜索した」と強調している。 苦労しているから分かってほしいという意味だ。 しかし通常の捜査手続きも守れないのなら慰労も期待できないだろう。

「チャン・ジャヨン事件」は、故人の遺族が告訴した名誉棄損・性売買特別法違反事件に、日本に滞在している元所属事務所代表が起こした訴訟、朝鮮日報が民主党の李鍾杰(イ・ジョンゴル)議員、民主労働党の李正姫(イ・ジョンヒ)議員を告訴した事件が絡んでいる。 しかし事件の本質は簡単だ。 故人が暴行・脅迫を受けたのか、酒の席に無理に呼ばれて行ったのか、接待の過程で不当なことはなかったかを明らかにし、違法行為があれば法に基づいて処理すればよいのだ。 この1カ月間、警察は信頼を失うような態度を見せ、インターネット空間では大衆の好奇心から「リスト」というものが出回り、さらには魔女狩りに似た雰囲気まで形成された。

さらに先日、京畿警察庁強力係長が「捜査対象者全員の実名を明らかにする」と述べたが、その7時間後に「言葉のミス」と言って覆すというハプニングがあった。 警察庁長が国会で「特定人をすでに調査した」と誤って答弁したこともあった。 警察は捜査対象者の名誉棄損を憂慮して口を閉じているというが、事実と偽りが入り乱れた情報があらゆる経路で広がりながら発生するもっと深刻な「名誉棄損」被害はどうするのか。


警察は今からでもきちんと捜査の正道を踏まなければならない。 事件の特殊性上公開捜査をしないのは理解できる。 しかし捜査が進めばその都度マスコミに公開してこそ、不必要な憶測を防ぐことができる。 今まで通りなら数日後に中間捜査結果を発表しても誰も警察を信じないだろう。



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