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「笑わせる」と意気込んだ瞬間、ユーモアは不発に終わるのがオチだ。笑わせたければまず自分を捨てなければならない。23日公開の映画「7級公務員」(監督シン・テラ)の主演俳優カン・ジファン(32)はこんな理をよく分かっている明皙な俳優。典型的な構図のアクションコメディのシナリオを手にした瞬間、まず決めた原則が「絶対笑わせようと思わない」だった。
◆笑わせながらも真摯なその中間地点=カン・ジファンが演じた国家情報院要員ジェジュンは会計士に身分を偽装してロシア産業スパイ組職を追いかける。意欲と努力は偉大だがやることすべて的外れなだけ。同じ国情院要員だがチームが違って互いの身分を知らないガールフレンドのスジ(キム・ハヌル)との関係もおかしくなってしまう。ジェジュンがかわいいが労しい「不良スパイ」役をするのと、この映画の笑いのポイントは、差がほとんどなくきっかり合う。こっちに倒れてあっちにのけぞるところでも、カン・ジファンは「節制の美学」という任務だけはスキなく実行する。
「笑わせようと思った瞬間、だめだと思いました。“ハハハ”と笑う場面を撮る直前まで “真剣に、深刻に”を繰り返していました」厳しい国情院の会議中に母親からかかってきた電話をとったジェジュンが、終わりに「ママの息子~」という返事をささやくときはちょっとむずがゆくて鳥肌がたってしまう。
カン・ジファン、「7級公務員」でまじめにコミカルな演技(2)
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