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「お金になるものは何でも売る」
景気低迷と財政難に苦しむ日本の地方自治体が、財政確保のためインターネットオークションを通じて財産を売却している。差し押さえ品をはじめ寿命となった家具や自動車、市営住宅、廃校、ホテルなど多様だ。人気があるのは乗用車や、希少価値のある鉄道・バスなどだ。
北海道の新冠町は14日に、閉校した小学校4校、群馬県みどり市は消防車1台をそれぞれインターネットオークションに出品した。4校の最低売却価格は2200万~6800万円。みどり市の購入から20年が過ぎた消防車は10万円から入札が始まる。昨年香川県丸亀市が出した消防車はゴルフ場の散水車に使いたいなどとして20人余りの入札があった。
自治体のインターネットオークションはヤフー・ジャパンが2004年に開設した「官公庁オークション」で行われる。政府行政機関と自治体の差し押さえ品などを売る「公売」と、保有財産を処分する「公有財産売却」の2つの窓口がある。日経流通新聞などによると、昨年の落札総額は30億円で、前年より3億円以上増えた。自治体の参加件数も1900件に上り、前年より70%増えた。
自治体は一般市民や収集家が好むようなものを選んで先を争って売却している。破産した自治体の北海道夕張市は化石など個人寄贈品をはじめ市営アパートまで販売した。大阪市交通局が1月に出した地下鉄の車両番号板は最低落札価格の5倍を超える2万5000円で売れ話題になった。
大阪市は市内バスの車両につけられた大阪市のマーク10個入りセットも2万5000円で落札され驚いてもいる。廃棄処分しようとしていた部品類140点が収集家からの予想外の関心で70万円の収入に変わったためだ。
歴代1・2位の高額落札品は2月に6億3300万円で落札された和歌山県が所有する不動産1万平方メートルと、2005年に3億1200万円で売れた三重県のリゾートホテルだ。自動車では東京都が昨年8月に754万円で出した外車が1380万円で落札されている。
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