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「韓日中賢人会議」に出席した各国最高の金融・経済専門家ら(司空壱・韓国貿易協会長、樊綱・中国人民銀行金融政策委員、榊原英資・早稲田大教授)が13日、本会議に先立ち座談会に臨んだ。
専門家らは「3カ国が域内で行う貿易が全体貿易の4分の1を上回るだけに、これを反映できる金融連携システムが必要だ」という認識で一致した。しかし「それぞれの貿易規模に相応する相手国通貨を外貨準備高として確保しておくべき」(樊綱)、「良いアイデアだが、経済の混乱期という点を踏まえねばならない」」(司空壱)などの隔たりも見せた。
座談会は、各国の今年の経済成長見通しから始まった。
榊原教授=経済協力開発機構(OECD)諸国の今年の成長率見通しは平均-6.0%だ。個人的に、日本の経済が今年2けたのマイナスになっても驚かないだろう。日本は全方位に向けた景気浮揚策にもかかわらず回復の兆しが見えない。
司空会長=韓国経済は第3四半期から底を打ち、回復に転じるものと予測している。世界経済全体の回復はもう少し遅くなるとみられる。
樊委員=中国は景気浮揚策執行の初期段階だ。今年7%成長するものと見られる。
司空会長=昨年11月、米ワシントンで開催された1回目の主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)の共同文書を注意深く読んでみると、首脳らは金融危機が今年4月にはある程度解消すると予測している。そうした予測がはずれ、今月2日に英ロンドンで開かれたG20金融サミットで、予想を上回るレベルの景気浮揚策で合意したのだ。
樊委員=中国は韓国・マレーシアなどを含むアジア5カ国と通貨スワップ協定を締結した。だが、通貨スワップは危機状況にしか適用できず、いざ危機時にはその規模が小さすぎるというのが問題だ。また、外貨準備高が米ドルに頼りすぎているのが実情だ。保有貨幣を多角化するレベルから「通貨の持ち合い制度(Cross holding reserve currency mechanism)」を提案する。例えば、中国の輸入全体で占める韓国からの輸入額が8%ならば、中国の外貨準備高のうち8%を韓国ウォンで構成する、という意味だ。そうすることで▽域内貿易の拡大▽為替レート急変の防止▽ドルの過剰な流動性への抑制--などの効果が得られる。ドルの保有規模を減らし、リスクとともに「富」も分け合うという概念だ。貿易はドルを含む従来の通貨で行うものの、外貨準備高の比重だけ多角化するのだ。
榊原教授=米ドルを売り、ほかの通貨を保有すると公式化する場合、国際金融市場に大きな混乱を与えうる。段階的に進めるのが重要だ。
樊委員=初期には両国間の貿易規模の2割、10割に制限するなど、最初は規模を小さくすればいいだろう。危機時だけでなく、平時も使えるスワップシステムを作ろうということだ。
<韓日中賢人会議>「貿易規模に応じた相手国通貨の保有を」(2)
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