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下村脩氏(右)が昨年12月7日、スウェーデンのストックホルムで行われたノーベル賞受賞者レセプションで夫人の明美さんと。ノーベル財団提供 |
日本科学の力、ノーベル賞受賞者特別インタビュー<3>
下村脩氏(81)。昨年ノーベル化学賞を受賞した彼は「クラゲ博士」だ。クラゲが動くとき緑色の光を出す理由を究明するために19年もの間、毎年夏になれば米国西海岸を訪れ、1日中クラゲを捕った。研究に使うクラゲを捕っている間、海におぼれたことも何回もあった。
彼が今まで取ったクラゲの数だけで85万匹。そんな執念と努力の末、彼は紫外線を照らせば光を吸収し、緑の光を出す緑色蛍光タンパク(GFP=Green Fluorescent Protein)をクラゲから見つけた。いわゆる「輝く標識」と呼ばれるGFPに付いてタンパク質の動きと位置を簡単に確認することができるようになったのだ。特定細胞がどう動いて成長するのかひと目でわかるようにした研究結果は、生物学や医学・薬学など生命科学の分野に適用できる画期的な発見だった。
彼は「永遠の科学者」だ。32歳で米国に渡り「知識のほとんど大部分を独学で得た」という。研究に取り組めば数日間、一言も話さずに過ごしたことも多かった。
米プリンストン大学教授とウッズホール海洋生物研究所研究員を務め、2001年退職後にも家で研究室を作って研究活動を続けている。米マサチューセッツのボストンの自宅後方の山に生息する発光きのこを採取して生物の発光メカニズムを研究するため余念がない。下村博士の夫人はいつからか彼の助手となった。
中央サンデー創刊2周年記念事業で電子メールを通じて下村博士をインタビューした。韓国メディアとしては初めてのインタビューだ。
彼は「韓国が(科学部門で)日本に追い付く日は遠くない」という激励の言葉を忘れなかった。それとともに「ずっと努力しなければならない」と言葉も忘れなかった。
次はインタビューの内容要旨。
--本人の業績の中でどんな点がノーベル賞受賞者に選定されることに大きく作用したと思うか。
「私の見つけたGFPが人類に役立つと思ったことではないかと思う(がんならGFPを通じてがん細胞の転移及び増殖可否がひと目で分かるほか、アルツハイマー病なら脳神経細胞がどう破壊されていくか、糖尿病ならすい臓の細胞がどう血糖値を下げる成分=インシュリンを生成しているかがわかる)。GFPの化学構造が決まった1979年の時点で私の仕事は終わったと思っていた。率直にノーベル化学賞を受賞することになってびっくりした。医学生理学賞を受けるかもしれないということはかなり前から思っていたが、化学賞を受けるとは思ってもいなかった」
--ここ数年の間、韓国では理工系離れの現象が現れている。これは日本も同じだと考えられるが、これを解決する秘策はないか。
「まず携帯電話を使うことからやめなければならない。そして興味主体のテレビ番組を見る代わりに自然界の動物、植物あるいは自然現象に目を向けなければならない。それが最も良い解決方法だ」
下村脩さんインタビュー2
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