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韓国食品医薬品安全庁(食薬庁)は6日、「1級発がん物質」のアスベスト(石綿)に汚染されたタルク(滑石)成分を原料として作った化粧品に対し、販売禁止の措置を取った。
食薬庁はこの日、化粧品メーカー・ロセアン社製の「フィニッシュフェイスパウダー」など5品目が徳山(トクサン)薬品工業のタルクを使っているのを確認した、と明らかにした。徳山薬品工業は、食薬庁が今月1日に「ベビーパウダーを製造する一部のメーカーにアスベストが含まれたタルクを供給した」と発表した会社。
食薬庁によると、現在まで徳山薬品工業が原料を供給したと確認された会社は304社。うち約100社は製薬会社で、残りは医療機器のメーカーや病院・医院という。食薬庁はこれらメーカーにタルクが流通した経路を確認した後、すぐに自主的回収などの措置を取る予定だ。
食薬庁の劉武永(ユ・ムヨン)医薬品安全政策課長は「実際、薬品や医療機器に使われるタルクの量は非常に少なく、有害性は判断ににくい」とした後、「薬品は直ちに治療中断などの問題を引き起こすため、専門家の諮問などを経て決める」と話した。すなわち、有害でもないのに販売が禁止されれば、患者が被害を受けるからだ。
食薬庁は6日午前、国立毒性科学院と共同で1回目の専門家諮問会議を開いた。ここで「アスベストに汚染したタルクによる人体への有害性が立証されたものはない」という意見をまとめた。食薬庁はまた、国内でタルクの原料を製造・輸入するすべてのメーカーを調べたところ、徳山薬品工業のほか7社の原料からアスベストが追加で検出された、と明らかにした。これらメーカーのタルクは化粧品と医薬品の製造に使用された。食薬庁はこのタルクを使用した製品に対して追加で調査を行う予定だ。
◇アスベスト=繊維状の鉱物で熱に強く、磨耗しにくいなどの特性がある。こうした特性のため、これまでスレートをはじめとする建築材とブレーキライニングの材料などに使われてきた。
◇タルク=ベビーパウダーや化粧品・医薬品から「1級発がん物質」のアスベストが検出されたのは、これらの製品に「タルク(talc)」という原料が使われたからだ。タルクの主な成分はマグネシウム。燃えにくく、熱と電気があまり通さない。粉末が固まるのを防ぐ性質がある。
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