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北朝鮮のミサイル発射で韓半島情勢の不通は避けられなくなった。衛星が軌道に乗ったかどうかに関係なく、国連安全保障理事会が開かれ、国際社会の圧力が加重されれば、南北関係や朝米関係が険悪になる。
問題は緊張が長期化するほど北朝鮮の核・ミサイル問題の解決がさらに難しくなるという点だ。
にもかかわらずロケット発射に対する報復をしないわけにはいかない。「対話と圧力を適切に並行すべきだ」という李明博(イ・ミョンバク)大統領の発言(2日の韓米首脳会談)はこうした脈絡から出てきたのだ。
韓米両国は制裁を推進する一方、対話の再開を視野に入れて‘発射後’を準備してきた。柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は先月下旬、「ロケットを発射した翌日にすぐ対話することはできないため、ある程度の時間が必要」としながらも「適切なきっかけを見つけて対話を始めることになるだろう」と述べた。
米国も同じだ。北朝鮮問題担当のボスワース特別代表も3日の記者懇談会で「圧力」と「誘引」という言葉を使いながら、「短期的な問題(ロケット発射)に関係なく、長期課題である6カ国協議への早期復帰に関心を持つよう期待する」と話した。
特にボスワース代表は「私たちは北朝鮮との接触を継続する考えであり、常に扉は開かれている」と明らかにした。韓米当局の対応策を単純化すれば「短期処方は制裁、中長期解決法は対話」ということだ。
対話の再開はボスワース代表の訪朝協議をきっかけに展開されるだろうという予測が出ている。ボスワース代表は先月初めにも北朝鮮訪問の準備をして北東アジア訪問の途に就いたが、北朝鮮が発射強行意思を変えず、そのまま帰国している。
ワシントン事情に詳しい消息筋は「高官級の対話で核交渉を打開しようとするオバマ政権の立場に変化はない」と話した。問題はきっかけを探すことだ。こうした点で北朝鮮に抑留中の米国人女性記者2人の釈放問題が糸口になるという観測もある。
対話が再開されればミサイル発射猶予(モラトリアム)問題が交渉テーブルに上がる見通しだ。
この過程で北朝鮮は巨額の補償を得ようとする可能性が高く、ある程度の見返りは避けられないという見方もある。
オバマ陣営で韓半島チーム長を務めたフランク・ジャヌージ米上院外交委選任専門委員は最近、「北朝鮮はクリントン政権末期、ミサイル輸出を中断する見返りに毎年10億ドルを要求した」と紹介し「こうした誘惑を警戒しなければならない」と述べた。
どのチャンネルでミサイル問題を扱うかも問題になる。北朝鮮は朝米対話にこだわると予想される。98年にテポドン1号が発射された1カ月後に朝米交渉が始まり、翌年、発射猶予に合意した後、オルブライト国務長官の訪朝まで実現させた前例をもう一度踏もうとする可能性が高い。
しかし今回は6カ国協議の枠組み内でミサイル問題を扱う案が議論されている。これは朝米交渉から疎外されることはできないという韓国の利害関係に沿うものだ。
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