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【社説】開城工業団地に抑留中の韓国人、一日も早く面会させるべき

北朝鮮の開城(ケソン)工業団地で働く進出企業の韓国職員1人が、北朝鮮に抑留、取り調べを受けているとされてから5日目となる。

いまだ韓国当局が把握している抑留の理由は、北朝鮮側が通知してきた内容が全部だ。北朝鮮の政治体制を批判し、北朝鮮の女性従業員に脱北を持ちかけ、変質・堕落を策動したということだ。

北朝鮮側は今回の措置が「開城工業地区と金剛山(クムガンサン)観光地区の出入り・滞在に関する合意書」により取られたもの、と明らかにしたという。しかし北朝鮮側は、韓国当局が調査対象の韓国人との面会権と弁護権を求めたことに対し、一言半句の反応も見せずにいる。しかも南北(韓国・北朝鮮)関係の悪化や北朝鮮の飛翔体の発射などで、軍事的な緊張が高まっている状況で発生した同事件は、多くの懸念をもたらしている。


かつて南北関係が円満だった時代には、金剛山(クムガンサン)であれ開城工業団地であれ、韓国人に過ちがあった場合、その処理をめぐる南北間の協議が比較的順調に進んだ。逮捕されれば、直ちにその理由を把握でき、処理も相対的に大きく無理のない範囲内で行われた。例えば、飲酒・交通事故などが発生すれば、開城工業団地管理委員会・韓国側職員の立ち入りの下、現場調査が行われるといった具合だった。

しかし今回の事件をめぐる北朝鮮側の初期の対応は、以前とは異なり、韓国側に取り調べの過程そのものを公開しない。また、面会など韓国からの最小限の要求にすら背を向けている。万が一でも南北間の合意を自国の都合に合わせて解釈し、事態を悪化させるのではないかと気になる。

問題はこうした心配事を抱えていながらも、韓国当局にできることが全くないというところにある。国際法によれば、外国人を逮捕した場合、該当国家の領事館に早速通報し、領事との接触権を保証するのが慣例となっている。もちろん南北関係は国際関係ではないことから、領事関係が存在しない。しかし、特殊な南北関係の下でここ10年間積まれた慣例では、一種の領事接触権を開城工業団地管理委員会または現代峨山(ヒョンデ・アサン)の職員が行使してきたのだ。

北朝鮮側は今回そうした慣例を無視している雰囲気だ。北朝鮮・平壌(ピョンヤン)に拘束されている米国人女性記者らに対しては領事接触権を認めたことから、むしろ差別的な態度と考えられる。開城工業団地は辛うじて実現させた南北和解と協力の実験台と言える。相互がウィン・ウィンとなる案を今後も講じ、発展させていかねばならない大切な通路である。

万一、同事業が失敗に終わるならば、南北は以前より、より激しく対決する雰囲気に後退するだろう。そうした状況こそ、民族的な罪科となる。北朝鮮当局もそれを望んではいないと信じたい。これまで工業団地を運営する過程で相互が体得した対話方式に基づき問題を解いていけばよい。ひとまず抑留中の韓国人との面会から認めるのが道理であろう。



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