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【社説】福祉予算横領する公務員がこんなに多いとは

福祉予算の横領事件が次々と明るみに出ている。2月にソウル・陽川(ヤンチョン)区庁で8級職員が1人で26億4400万ウォン(約2億円)を横領したのが発覚し大きな衝撃を与えたのが始まりだった。続く監査で陽川区庁で別の不正が明らかになり、ソウル・竜山区(ヨンサング)と全羅南道海南郡(チョンラナムド・ヘナムグン)でも1億ウォンを超える横領が判明した。1日には監査院がソウル・蘆原区(ノウォング)と全羅南道麗水市(ヨスシ)、莞島郡(ワンドグン)、高興郡(コフングン)の4自治体職員による横領の事実を追加で発表した。これで明らかになった横領だけで40億ウォンを超える。しかし驚くのはまだ早い。監査院が今月末から自治体と関連部署に対する全面監査を実施すればどれだけ多くの不正が出てくるかわからない。

大統領も指摘したように、生活の苦しい人に回すお金を横領するほど質の悪い犯罪もない。少年少女家長と一人暮らしのお年寄り、障害者が食事をし家賃を払うのに使っても足りない大事な予算を、外車を乗り回し海外旅行に行くのに使いまくっていたというのだ。切り詰めた生活で細々と税金を払ってきた国民の立場からはこれより腹立たしいことはない。国民が莫大な規模の追加補正予算とそれによる財政悪化を黙認しているのは、すぐにでも飢えそうな隣人に知らないふりはできないためだった。しかしその大事なお金が悪徳公務員の私腹を肥やすのに流れていったのなら、だれが福祉支出の負担を分担しようとするだろうか。

あるいは福祉予算の速やかな執行に影響が出るかと躊躇していた監査院がメスを入れるしかない理由だ。監査院は今回の監査を、横領を抜本的に根絶する契機としなければならないだろう。不正が摘発された公務員に対しては以前のように緩い処罰にとどめるのではなく、一罰百戒の見方から厳しく処罰するのが当然だ。合わせて今後不正が発生しないよう制度を改善することにも力を傾けなくてはならない。執行項目が100個近い複雑な構造、第一線の公務員1人で巨額を扱ういい加減な運営方式、不十分な監査体系などが直らなければ事故は起こり続けるしかない。


なにより不正公務員におなじみの手法だった虚偽資料入力や金額の水増しを防げるよう、だれにどのような項目でいくらを支援したのかを一目で見られる統合福祉電算網の構築が急がれる。市・郡・区レベルの独自監査と中央政府の監査も定期的に実施しなければならない。より多くの社会的弱者を支援するならば福祉予算の増額に劣らず効率的なシステムを備えることに全力を傾けるべきだ。漏れる穴をふさぐほどセーフティネットはより目が細かくなる。



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