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【噴水台】小沢一郎



1991年10月のことだ。退いた海部俊樹日本首相の後任を選ぶ自民党総裁選挙に宮沢喜一氏をはじめとした3人の名政治家が出馬した。遊説場を歩き回らなければならない候補者たちが、ある日、ある政治家の個人事務室にそれぞれ呼ばれた。最大派閥である竹下派の会長代行小沢一郎氏の「面接審査」が待っていたのだ。72歳のベテラン宮沢氏とは息子ほどである49歳の小沢氏の面接試験を通過して総理職に就くことができた。小沢氏が直接表に出ないのは「非常に若い」という理由であった。当時は50代の首相も若かった時代だった。

1年8カ月後、宮沢氏を引き下ろしたのも小沢氏だった。小選挙区制導入をめぐり宮沢氏と対立した彼は、自分の同調者を携え、野党と手を取り合って首相不信任案を可決させてしまった。この事件は自民党が総選で敗れ、創党38年目にして初めて野党に転落する政変の口火となった。自民党を飛び出した小沢氏は8の群小野党を集めて連立政権を作った。看板は細川護熙首相だったが、政局の主役はやはり小沢氏だった。


こうして小沢氏は首相を誕生させ、そして引き下ろした履歴が数回ある。その気になれば自分が首相になることもできたが、常に「キングメーカー」の役割にとどまっていた。「年富力強」な彼は、いつでも機会が来るものと思っていたのかもしれない。しかし野圏を転々とした彼に新たな機会がやってきたのは20年近い歳月が過ぎた最近のことだ。今年9月前に行われる総選挙で小沢氏の導く民主党が勝利する確率は99%と占われてきた。自民党があまりに状況が悪くなっていたせいだ。小沢氏は日本で本格的意味での初の政権交代を実現させた人物になるという夢でいっぱいであった。

しかし小沢氏は首相と縁が遠い運命に生まれついたのだろうか。今回は飛ぶ鳥も落とすという東京地検特捜部が彼に酷な試練を与えている。小沢氏の秘書が不法政治資金を受け取っていたというのだ。小沢氏は無傷を主張するが、世論はすでに辞任を急き立てている。事実なら、彼が知っていようがいまいが、日本では政治生命が終わる事案だ。このように日本には金銭スキャンダルが政治の流れを変えたことがたくさんある。

同じ時期、韓国の政界にも検察発の暴風雨が激しく降りながら多くの政治家が不安におののいている。企業家が提供した不法政治資金事件という点も日本と似ている。歴史認識問題で争うときはもちろん、サッカーや野球で対戦してもつかまえられずにやきもきする国であるのに、政治家たちの行動はどうしてそうして似てしまうのか、理解が難しいものだ。



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