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韓国経済がひとつの峠を越えたのだろうか。この数日間に新たな希望的なニュースが聞かれる。もちろん憂鬱なニュースのほうが多いとはいえ、昨年9月の世界金融危機以降、「最悪」「最低」の数値ばかりがあふれていた時とはまるで違う雰囲気だ。
統計庁が31日に発表した2月の産業活動動向を見ると、実体経済指標は最悪の状況を脱しつつある。産業生産は前年同月比10.3%減少した。昨年12月のマイナス18.7%と1月のマイナス25.5%に比べるとひとまず急落傾向は収まった。さらに前月比では6.8%増加した。経済指標は通常前年同月比の増加率をみるが、不況の時は時々刻々と変化する景気の流れを読む上で前月比の数値が有用だ。(ユン・ミョンジュン統計庁産業動向課長)
工場稼働率は66.7%で29年来の最悪だった1月の61.4%より改善した。向こう6カ月前後の景気を予告する先行指数は前年同月比で0.5ポイント伸びており、15カ月ぶりに上昇に転じた。
経済が1カ月の間に急激に好転するだけの契機があったのではなく、海外の環境が良くなったのでもない。それではどうして経済指標が好転したのだろうか。
まず韓国経済が昨年第4四半期に過度に急激に落ち込んだことが理由と言えば理由だ。少しの回復でも大幅に反騰したように見えるのだ。実際、昨年下半期には通貨危機の悪夢が思い出され過度におびえた感がなくはなかった。「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」とでも言おうか。金融危機の震源地の米国の昨年第4四半期の民間消費は前四半期比で4.3%減ったのに対し、韓国はそれを上回る4.8%の落ち込みを見せたことからも、どれだけ敏感に反応していたのかがうかがえる。
経済危機の恐怖は抜け出したか(2)
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