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自殺した女優、故チャン・ジャヨンさんが所属していた事務所の元代表、キム容疑者(40)が有力者を相手に繰り広げていた接待の方式が、所属事務所の元職員らの証言を通じて続々と公開されている。
所属事務所の元職員らは「元代表はそれなりの原則に基づき、接待のすべての過程を緻密(ちみつ)に準備していた」と口を揃えた。接待の最初の原則は「スライディング」だった。「スライディング」は、地位が高い人に腰を屈め、誠意を尽くすことを意味する。
昨年まで同社に勤めていたというAさんは「元代表は自分にプラスになると判断すれば、意中の人の関心を得るため手段を選ばなかった」と話した。高級ワインなどを車のトランクに詰めておき、有力者はもちろん、その夫人らにも贈り物を贈りつづけたという。
キム容疑者が接待に動員する女性を組織的に管理していたという証言も出ている。昨年半ば、キム容疑者の運転手を務めていたBさんは「キムさんが無名の芸能人や志望者らを、接待に向けた酒の席に随時呼び出した」と話した。この女性らは、どのようにして接待に加わることになったのだろうか。
Bさんが記憶するキム容疑者の姿は次の通りだ。
いつものように退勤するキム容疑者を車に乗せたある日だった。キム容疑者が車に20代女性を同乗させた。キム容疑者は有名な芸能人の名前に触れながら、この女性に「誰かさんはCMひとつで数十億ウォンを稼いでいるのに、君もあの子のように成功したいだろう」と尋ねた。続いて「君も成功するためには、力を持っている人とあいさつをしておいたほうがいい」と説得したということだ。
Bさんは「こうした場面を数回目撃しており、(該当する女性は)間違いなく接待の場所に呼び出された」と主張した。Aさんも「約束をしてから、女性を接待に呼び出すまで、それほど長い時間はかからなかった」とした。同氏は「普段、キムさんは芸能人・モデルの志望者20-30人を“妹”と呼んでいたが、接待の前日に電話をかけ、呼び出したこともあった」と話した。
誠意を込めた接待に全力を尽くすキム容疑者だったが、すべての人物がVIPとして接待を受けたわけではなかったという。有力者でない場合には接待のレベルも変わった。Aさんは「有力者を接待する場合は、江南(カンナム)地域の静かな場所を利用したが、格付けが低い場合は三成洞(サムソンドン)の旧事務所ビル1階にあるワインバーでワイン一杯を飲むなど簡単に済ませた」と伝えた。
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