「対話の窓口として開城工業団地は維持」
◇開城工業団地=李明博(イ・ミョンバク)大統領は同インタビューで「開城(ケソン)工業団地を維持する」という原則も明らかにした。李大統領は「北朝鮮がミサイル発射に踏み切る場合、開城工業団地を閉鎖するのか」という質問に「閉鎖などといった極端な措置は取らない考えだ」とした。続いて「北朝鮮との対話の窓口を開けておくため、開城工業団地は維持していく」という立場を明確にした。
これについてある当局者は「同団地について韓国側が先に遮断または中止に触れるのは、実利からも、戦略からも適切でない」と説明した。統一部によると、政府が約7000億ウォン(約490億円)を投資した同団地は、そろそろ入居企業が投資を結実させるころだ。また、同団地で約3万8000人の北朝鮮労働者を対象に毎日行う「資本主義学習の効果」も、政府が進める「北朝鮮の改革・開放」という目標につながっている。
李大統領の発言は、これを踏まえた現実的な判断によるものという見方が出ている。ただ、30日に発生した開城工業団地で働く韓国人が北朝鮮当局に拘束された事件が、李大統領のこうした考えにどんな影響を及ぼすかはまだ未知数だ。
「北朝鮮崩壊時に中国による占領はあり得ない」
◇北朝鮮の崩壊=李大統領はインタビューで、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権で持続された「太陽(包容)政策」に対し、批判的な考えを明らかにした。「南北間の和解ムードを維持する上で、一部肯定的に働いた側面がある」としながらも「10年間、大規模な支援を行ったにもかかわらず、北朝鮮は結果的に核兵器を作った」と話した。
しかし李大統領は北朝鮮を刺激する発言は控えた。李大統領は「現政権は非常に現実的かつ実用的な考え方で北朝鮮問題に取り組んでいるだけだ。以前より硬直した政策を取ろうとしているのではない」とし「いつでも対話に臨む準備ができている」と述べた。
特に北朝鮮体制が崩壊する場合について、執拗(しつよう)な質問が続いたが、李大統領は原論レベルの答弁をしている。▽金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の死去▽北朝鮮住民の大規模な脱出▽中国が北朝鮮を占領する可能性--などについて尋ねられると、李大統領は「最終的な目標は平和的に統一することだ」と答えた。
続いて「北朝鮮にいかなる事態が発生するとしても、中国によって占領されることはあり得ない」とし「いろいろなシナリオが予測でき、常に備えている」と話した。また「有事の際は、米日中ロなどとの協力を緊密化するだろう」と付け加えた。北朝鮮の有事の際へのシナリオについて具体的な行動計画を尋ねる質問が続いたが「仮定はできるものの、今すぐには起きないと考えている」とのみコメントしている。
FTはもう一度「いかなる理由からでも北朝鮮に急変事態が発生した場合、南北間の統一が、その解決策になるだろうか」と尋ねたが、李大統領は「現時点で、北朝鮮が崩壊する状況を仮定し、言及するのは、北朝鮮を刺激することがあり得るので適切とはいえないようだ」と発言を控えた。
「ミサイル発射しても軍事的な対応には反対」(1)
◇開城工業団地=李明博(イ・ミョンバク)大統領は同インタビューで「開城(ケソン)工業団地を維持する」という原則も明らかにした。李大統領は「北朝鮮がミサイル発射に踏み切る場合、開城工業団地を閉鎖するのか」という質問に「閉鎖などといった極端な措置は取らない考えだ」とした。続いて「北朝鮮との対話の窓口を開けておくため、開城工業団地は維持していく」という立場を明確にした。
これについてある当局者は「同団地について韓国側が先に遮断または中止に触れるのは、実利からも、戦略からも適切でない」と説明した。統一部によると、政府が約7000億ウォン(約490億円)を投資した同団地は、そろそろ入居企業が投資を結実させるころだ。また、同団地で約3万8000人の北朝鮮労働者を対象に毎日行う「資本主義学習の効果」も、政府が進める「北朝鮮の改革・開放」という目標につながっている。
李大統領の発言は、これを踏まえた現実的な判断によるものという見方が出ている。ただ、30日に発生した開城工業団地で働く韓国人が北朝鮮当局に拘束された事件が、李大統領のこうした考えにどんな影響を及ぼすかはまだ未知数だ。
「北朝鮮崩壊時に中国による占領はあり得ない」
◇北朝鮮の崩壊=李大統領はインタビューで、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権で持続された「太陽(包容)政策」に対し、批判的な考えを明らかにした。「南北間の和解ムードを維持する上で、一部肯定的に働いた側面がある」としながらも「10年間、大規模な支援を行ったにもかかわらず、北朝鮮は結果的に核兵器を作った」と話した。
しかし李大統領は北朝鮮を刺激する発言は控えた。李大統領は「現政権は非常に現実的かつ実用的な考え方で北朝鮮問題に取り組んでいるだけだ。以前より硬直した政策を取ろうとしているのではない」とし「いつでも対話に臨む準備ができている」と述べた。
特に北朝鮮体制が崩壊する場合について、執拗(しつよう)な質問が続いたが、李大統領は原論レベルの答弁をしている。▽金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の死去▽北朝鮮住民の大規模な脱出▽中国が北朝鮮を占領する可能性--などについて尋ねられると、李大統領は「最終的な目標は平和的に統一することだ」と答えた。
続いて「北朝鮮にいかなる事態が発生するとしても、中国によって占領されることはあり得ない」とし「いろいろなシナリオが予測でき、常に備えている」と話した。また「有事の際は、米日中ロなどとの協力を緊密化するだろう」と付け加えた。北朝鮮の有事の際へのシナリオについて具体的な行動計画を尋ねる質問が続いたが「仮定はできるものの、今すぐには起きないと考えている」とのみコメントしている。
FTはもう一度「いかなる理由からでも北朝鮮に急変事態が発生した場合、南北間の統一が、その解決策になるだろうか」と尋ねたが、李大統領は「現時点で、北朝鮮が崩壊する状況を仮定し、言及するのは、北朝鮮を刺激することがあり得るので適切とはいえないようだ」と発言を控えた。
「ミサイル発射しても軍事的な対応には反対」(1)
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