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25日午後1時ごろ、フランス・パリ都心のサンタンヌ(Sainte-Anne)。 日本ラーメン専門店「ひぐま」の前には約10人の列ができていた。 この列は午後2時過ぎまで続いた。 付近にある他のラーメン店やうどん店も同じだった。
この一帯には日本飲食店が50店以上もあり、どの店も空席を見つけるのが難しいほどだ。 特にパリの真ん中であるオペラ・ガルニエ~ルーブル博物館前のサンタンヌ通りは、この数年間「ニッポン区域」と呼ばれるほど日本飲食店が集まってきている。 20年前から日本の書店や旅行会社、飲食店が多い場所だったが、05年以降急増している。 最近は近隣の道にまで広がっている。
パリでは寿司ブームもあって現在500-600店の日本飲食店が盛況中だ。 このうち80%以上は中国人が運営している。 日本料理の人気が高まると、中国人がわれ先にと日本飲食店を出したのだ。 このため日本人経営者は中国式の日本料理店と区別するため、オペラ近隣に集まり、メニューも日本語で出している。 こうした中、一部のパリ市民が「東京なのかパリなのか分からない」として不満を表し始めたのだ。
最近は近隣の商人と住民を中心に署名運動まで行われている。 この一帯からカフェ・クリーニング店・パン店・たばこ店が消え、その場所に日本料理店が入ってくるため、不便が生じているということだ。
市民200人余りが「このままだとこの街でバゲット一つを買うために30分以上も歩かなければならなくなる」と言って署名し、パリ市に請願書を出した。 パリ市は検討作業に入った。 市は一つの地域に過度に特定分野の業者が多い場合、市民の便宜のために制限できる。
パリ13区のチャイナタウンには中国飲食店が密集しているが、ここは都心でないため大きな反発はない。 一部のパリ市民は「パンを買いに行くのが不便だ」と主張しているが、実際にはパリの真ん中のオペラ~ルーブルに日本料理店街をつくるべきでないという思いが働いているとみられる。
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