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キム・ヨナの”オンリーホープ”⑤ 専用リンクのある真央が羨ましい(1)

外国で行われるフィギュア大会やアイスショーを見る度に羨ましいことがある。いつでも安心して訓練や大会を行うことのできる室内リンクだ。

昨年10月「スケートアメリカ」グランプリ大会が行われた米国エバレットはシアトルの隣に位置したとても小さな都市だが、1万人の観衆席を備えたアイスリンクを保有し、2007年11月「カップオブロシア」が行われたロシアのモスクワには1万3000人を収容できる観衆席に先端照明と音響施設を備えたメインリンクと補助リンクで選手たちを迎えた。補助リンクには1日中、ロシアのフィギュア選手たちが訓練をしていた。これを見たキム・ヨナの母親は「ロシアのフィギュア選手は幸せですね。こんな所でいつでも訓練することができるんですから…」と羨ましがった。カナダは町内ごとにアイスリンクが1つずつあるほど、豊かな氷上インフラを誇る。昨年2月には四大陸選手権大会が行われ、来年2月に冬季五輪が開催されるバンクーバーは、アイスリンクがいくつあるのか想像できないほど多い。

わざわざヨーロッパや米国に行かなくても近くの日本や中国のリンク事情も韓国と大きく比較される。北京五輪の準備のため「カップオブチャイナ」グランプリ大会を誘致した中国のハルビン市にも8000人を収容するアイスリンクが用意されている。浅田真央(日本)の訓練リンクである日本中京大学アイスアリーナ・オーロラリンクの場合、天井に訓練分析カメラと映像分析システムまで備えつけている。ここで浅田は1日6時間“1人で”訓練することができる特権も与えられている。


こうしたフィギュア先進国に比べ、韓国の氷上インフラはみすぼらしいというほかない。国内選手は木洞、果川、安養などにあるアイスリンクで泊まり込んで訓練している。一般人に押されて深夜に訓練しなければならないのだ。訓練が終わればたいてい明け方。昨年3月、韓国に来てこうした姿を見たブライアン・オーサーコーチは「韓国のフィギュア選手たちは学校に通わないんですか。まさかあの選手たちは朝早く学校へ行ったのではないでしょうね」と尋ねた。「朝になった学校へ行かなければならない」と聞かされ、彼が首を振った姿が思い出される。深夜訓練はともかく、訓練場を得るということそのものがありがたいことであるだけに、訓練場確保は夢のまた夢なのだ。





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