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【ワールドナウ】東京の食堂「英語のメニューのおかげで…」

日本橋にある串焼きの店「一久」。

カウンター越しの火鉢で焼き鳥がじりじりと焼けていく。夕方には帰り道に寄る会社員や常連客が焼き鳥をつまみに酒を飲むところだ。

同店は今年に入り、外国人のお客さんが増えはじめている。今年初め、英語版のメニューを導入してからだ。欧州や米国に「日本のバーベキュー」と広く知られてはいるものの、外国人観光客が数十種にのもる日本語のメニューを見て、ひとりで注文するのは簡単ではないことだった。


店長の島田政佳(37)さんは「時々立ち寄る外国人のお客さんも英語のメニューがないと言うと帰ってしまったが、英語版を作ってからは、再び訪ねてくる外国人も増えている」と話した。

以前は串焼きの実物や絵などを見せて注文を受けていて、手羽、つくねの串焼きなどといった代表的なメニューばかりお勧めしていたが、英語版ができてからは、外国人が多様な料理に挑戦できるようになったということだ。

英語版メニューの制作は、ロイヤルパークホテルがサポートしてくれた。江戸時代、商業の中心地だった日本橋は現在、ビジネスタウンとデパート、伝統工芸品の店、古くなった和食店など現代と伝統が調和している。外国人観光客も多く、このホテルの宿泊客の6割以上が外国人だ。ところが、それらが主に訪問する食堂は六本木や銀座だった。

原因の分析に乗り出したホテルは「外国語で接客が可能な食堂はさておき、英語のメニューを備えている食堂すらほぼない」という結論に至った。ホテルは昨年の春、付近の食堂組合を通じ、英語版メニュー制作の申し込みを受け、計52店が参加した。

ホテルはメニューを英訳し、外国人を食堂に案内する「日本橋・英語のメニューマップ」も制作、ホテルの客室や空港、東京都庁の観光案内所など外国人観光客が多いところに備えつけた。最近では食堂関係者らを対象に、注文から料理の提供・勘定に至るまで必要とされる英会話教室を開いた。

ホテル営業企画チームの斉藤卓路さんは「外国人に日本橋の魅力を伝える上で、街の食堂ほど良いものはない」とし「外国人には多様な体験の機会を提供し、地域の活性化も期待できる一石二鳥のプロジェクトだ」と説明した。



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