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花を咲かせる植物が地球上に登場したのは1億3000万年前だ。花植物は登場直後500万年の間、5系統に分化された。いわゆる「花のビッグバン」が起きたのだ。46億年の地球の歴史で500万年は本当に「あっという間」だ。以後、進化を繰り返した花植物は今日40万種に増えた。
花は植物の繁殖手段だ。花粉を最大限まき散らすために鳥、コウモリ、昆虫のくちばし、口の模様に合わせて花も進化してきた。チャールズ・ダーウインがマダガスカルで見つけた蘭(Angraecum sesquipedale)は蜜腺の長さが30センチにもなるが、いちばん下の3センチにだけ蜜があった。ダーウインは25~30センチ程度まで長く伸びるくちばしを持った蛾がいると信じた。後日、ブラジル南部からその程度の長さのくちばしを持ったスフィンクス蛾が発見された。発見はできなかったが、マダガスカルにあるその同じ蛾が消えたらその蛾に依存する蘭も絶滅するほかない(スーザン・オーリアン「蘭に魅せられた男」)。
花はハチ・チョウを引きこむために美しさを維持しなければならない。美しい色と香りのためには費用と努力がつきもので、大部分の花は寿命が短い。だから花無十日紅(花が紅く咲くのは10日ぐらいだという意)だ。最近、農村進興庁は花を2年以上保管できる技術を開発したという。花をエチルアルコールが主成分である溶媒に浸して水気を完全にとり除き、色が入った保存剤で処理し、染色すれば花の形態と質感がそのまま維持されるというのだ。
南の方はもちろん中部地方では春を迎えて梅とサンシュユの花がぱっと咲いた。昨年の冬が暖かかったせいでレンギョウ、ツツジ、サクラも平年より10日ほど早く咲くと気象庁は予測した。ソウルを基準にレンギョウは20日、ツツジは21日、サクラは来月4日に咲き始めるということだ。ソウル大ホ・チャンフェ教授の分析によれば1920年代以後、レンギョウ、ツツジの開化日は10年ごとに2.4日ずつ早くなっている。地球温暖化のためだそうだ。
ツツジがソウル地域で初めて花を咲かせる時期は平年(1971~2000年の平均)基準で3月31日なので今年は平年より10日早いと言える。60年代には今より12日程度遅い4月初旬に咲き始め、4月中旬に満開となった。4.19革命で犠牲となった人をほめたたえる歌「ツツジ」(イ・ヨンド詞、ハン・テグン曲)が歌われるのも4月ならツツジが眩しいほどの花をつけたからだ。
温暖化が続いて一世代後にはツツジが3月に咲いて枯れ、4月とは無関係になりそうだ。子孫たちは4.19とツツジを関連づける理由が何なのか首をかしげるようになるだろう。
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