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「日本の食品=安全・高級」…アジア富裕層に人気

昨年、米国・ニューヨークに登場した1個175ドルのハンバーガーに使用された牛肉は、米国産やフランス産ではなく和牛だった。神戸産和牛はハンバーガーに挟まれたフランス産の松露、フォアグラ、グリュイエールチーズとともに世界では高級食材だ。筋肉内脂肪(マーブリング)をまんべんなく広げるために飼育者が牛をマッサージし、ストレスを与えないように音楽も聞かせている。血統や遺伝子の管理も行っている。

日本では神戸和牛のように、各地域を代表する食材のブランドがある。1990年代から、地域の特産物である神戸和牛、北海道産の天然シャケ、新潟産コシヒカリなどが世界的なブランドに成長することで、日本の農水産物の国際競争力を高めた。2000年代に入り、農林水産省や日本貿易振興機構(JETRO)、地方自治体などが「日本食の世界化」を前面に掲げ、農水産物の輸出を本格的に開始した。日本食の高級化を図るために、食材を高級ブランドに育成する戦略も立てた。

JETROが2003年に「日本食品の海外市場開拓委員会」を新設、海外市場調査とともに輸出に向けた戦略を立てた。


鳥取県をはじめとする23の自治団体も「農林水産・日本ブランド輸出促進地域協議会」を設立した。

この戦略は見事に的中し、韓国、台湾、中国、シンガポールなどのアジア地域の高所得層を中心に日本の食材が浸透し始めた。食品安全事故が頻発する中国では、「日本食品=安全・高級」という認識が広まり、富裕層のあいだで日本米や肉などの農水産物がブランドとして脚光を浴びている。

国際食材博覧会などに出品し、外国人らの食欲を変えた品目もある。日本農業法人協会の紺野和成理事は「固くて酸っぱいリンゴの味しか知らないヨーロッパの人々に、糖度が高くて多くの水分を含む日本のふじりんごを購入してもらおうと、ドイツ・ベルリンで開催される果物展示会などヨーロッパ各地のイベント会場でりんご試食会を開催している」とし「この結果、最近では青森産リンゴジュースを好む外国人が増えている」と話している。コメに関しても同様だ。

コメを主食としない西洋人に、日本米の素晴らしさを知ってもらおうと、冷めたご飯の試食会を開催し「日本米は冷めてもおいしく食べられる」と、イメージ拡大に努めている。



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