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「女性記者拘束」朝米関係改善の機会になるか

北朝鮮がロケットの発射に踏み切ると予告し、韓半島で緊張が高まる中、北朝鮮が米国籍の女性記者を拘束、抑留する事件が発生した。

朝米両国は事件を公表せず、水面下の接触で解決しようとする動きを見せている。微妙な時点に発生した事件だけに、解決の過程は、今後の韓半島情勢に少なくない影響を及ぼすこともある。朝米間の接触が緊張緩和の糸口になることも考えられ、逆に交渉がこじれた場合は緊張が高まるからだ。

米国は、自国民が北朝鮮に抑留された場合、外交チャンネルや特使の派遣を通じて解決してきた前例があることから、今回の事件をきっかけに、いかなる形でも朝米間の交渉が行われるだろうというのが大方の見方だ。


96年8月には、酒に酔った韓国系米国人の自称宣教師エバン・カール・ハンジカー氏(当時26歳)が鴨緑江(アムノッカン)を渡って北朝鮮入りし、スパイ容疑で逮捕される事件が起きたが、ビル・リチャードソン米下院議員(ニューメキシコ州、民主党)がクリントン大統領の特使として11月に訪朝し、交渉にあたり、解決したことがある。

当時は94年のジュネーブ枠組み合意以降、両国関係がそれほど悪くない状況だった。これに先立ち、94年12月にも巡察活動中だった在韓米軍のヘリコプター「OH-58」が、北朝鮮領空に進入した後、不時着してしまい、操縦士のボビー・ホール准尉が抑留された。当時もリチャードソン議員が特使として訪朝し、抑留から13日後にホール准尉を釈放させた。

北朝鮮が、拘束した日本人記者を釈放することで、朝日関係改善への意志を積極的に示した事例もある。02年、秘密裏に行われた朝日当局レベルの交渉で、日本側はスパイ容疑で拘束されていた記者(日本経済新聞)の「無条件での釈放」を求めた。北朝鮮がそれを受け入れると、日本側は「北朝鮮が関係改善に誠意を示した」と判断、交渉に拍車をかけた。その結果▽小泉首相の初訪朝▽朝日首脳会談の実現--に至ったのだ。

こうした前例から「北朝鮮が女性記者2人を釈放した後、米国が柔軟に取り組む」というシナリオが取りあげられている。朝米国交正常化を望む北朝鮮としても、偶発的な事件をめぐって、敢えて状況を悪化させようとはしないだろうという判断からだ。

逆の方向に事件が進む可能性もある。今回の事件は朝中国境地帯で写真を撮り取材活動を行う過程で発生したという点から、かつての抑留事件とは異なる。よって、北朝鮮が女性記者をスパイと見なし、長期にわたって抑留する可能性も排除できない。交渉が開始された後、決裂した場合も、朝米関係では悪材料となる。

北朝鮮が同事件を「内部の結束を固める」ために活用すれば、事態はより一層こじれることになる。北朝鮮は昨年12月と07年9月に国家安全保衛部スポークスマンの名義でスパイ事件を発表するなど、最近、西側への警戒姿勢を崩さずにいる。



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