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「隣の工場に仕事は回さない」現代自動車労組内部で対立

現代(ヒョンデ)自動車蔚山(ウルサン)第3工場と蔚山第2工場で働く勤続17年の従業員。同じ業務を担当しながら2月の給料は第3工場では310万ウォン(約22万円)、第2工場では216万ウォンと94万ウォンの差がついた。

経済危機が本格化した昨年末から、「ツーソン」「サンタフェ」「ベラクルス」など現代自動車第2工場で生産しているレジャー用車両の需要が落ち込み、第3工場で生産する「アバンテ」と「i30」など中小型乗用車は工場をフル稼働しても追いつかないほどの注文があふれているためだ。第3工場では注文をこなすため毎日2時間の残業に週末の特別勤務までしているが、第2工場は注文急減で休業・短縮勤務など1日8時間の通常勤務もできない状態だ。

第2工場で働く従業員は、「給料が減ることよりも耐え難いのは構造調整への不安だ」と話す。会社も今年のような不景気で9万台の販売機会を逃すものとみて歯がみしている。


同じ会社で一方の工場で仕事量があふれれば、余裕のある隣の工場で生産すればよいようなものだが、現代自動車では現時点では夢のような話だ。団体協約上、労働組合の同意を経なくてはならないためだ。現代自動車労組執行部まで乗り出し「同僚同士で仕事を分け合いともに生きていかなくてはならない」と説得しても、第3工場事業部委員会(以下第3工場労組)がこれを拒否している。

現代自動車は1月11日に200億ウォン余りを投じ、第2工場に複数のモデルを同時に生産できる混類生産施設を設置した。既存のレジャー車両とともに第3工場でこなせない「アバンテ」の注文量をここで生産するためだった。しかし会社は2カ月以上にわたり施設を遊ばせている。第3工場労組の代議員らが「いつ事情が変わり『アバンテ』の需要が減るかもわからない。その時になって残業や特別勤務ができなくなり賃金が減ったら誰が責任を取るのか」と第2工場労組とのワークシェアリングを拒否している。

光云(クァンウン)大学経営学部の林英均(イム・ヨンギュン)教授は、「現代自動車が当面の労組の圧迫から抜け出すため無原則に譲歩した結果が招いた自業自得。労組にも全組合員レベルで雇用を脅かすブーメランになりかねない」と指摘している。



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