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千里馬製鋼訪ねた金総書記、食堂視察で激怒

昨年12月24日、北朝鮮の鉄鋼最大手「千里馬(チョンリマ 南浦市)製鋼連合企業所」。

経済現場の「現地指導」に向け、同所を訪れた金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が新設された超高圧電気炉を視察した後、労働者の食堂へ向かった。

満足そうな表情で食堂に入った金委員長の顔色が突然暗くなった。それからしばらくの間、入口に立ち止まっていた。雰囲気を把握できなかった工場の幹部は、質の高い食事を提供しているというブリーフィングを続けた。黙っていた金委員長は「食堂が寒くては、いくら栄養価の高い食事を取ってもダメだ」と叱責(しっせき)しはじめた。


平壌(ピョンヤン)放送は15日、金委員長が千里馬製鋼を訪問した当時、食堂の暖房問題について激怒したことをこのように詳しく報じた。報道によると、金委員長は「食堂の温度を陽暦のソル(正月)以前まで正常化するように」と指示した。また「寒い所で食事を取らせたのは、非常に間違っている」とし「企業所の責任者(幹部)は労働者を集め、謝罪の意を示すべきだ」と指摘した。

これを受け、暖房に向けた事業が展開され「責任者が溶解担当の労働者らの前で謝罪するという、類例を見ない会合があった」と平壌放送は紹介した。北朝鮮のマスコミは、金委員長が千里馬製鋼を訪問した直後「製鋼所の労働者、技術者に大きな満足感を示した」と報じた。09年の新年揮毫(きごう)にあたる「進軍のラッパを吹いて」という文も残したという。

北朝鮮専門家は、企業所訪問に関連した「芳しくない」内容を報じたのは非常に異例のことだと指摘した。故金日成(キム・イルソン)主席が56年12月に訪問した降仙(カンソン)製鋼所(千里馬製鋼の前身)は千里馬運動の発症の地とされてきた。それで今回の金委員長の訪問に「第2の千里馬大高潮の烽火」と意味を付与してきた。

西江(ソガン)大の安燦一教授(アン・チャニル、52)は17日「金委員長の場合、常にきちんと準備できた施設のみ訪問するが、その日は何か足りなかったようだ」とし「当時の状況を詳しく公開したというのが注目すべき部分だ」と話した。そのため、今回の報道が「展示行政」に染みた官僚主義の打破に向けた警告、という見方も出ている。

安教授は「北朝鮮体制に蔓延した官僚主義、形式主義が指導者と労働党を欺瞞(ぎまん)しているという判断から、金委員長が“謝罪の会合”という極端な措置を取ったのかもしれない」と分析した。金委員長の「労働者への配慮」を強調するための宣伝策だという見方もある。統一研究院の鄭永泰(チョン・ヨンテ)選任研究委員は「今年の共同社説(年頭演説に相当)で強調した人民の生活改善への意志を住民にアピールする狙い」と説明した。



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