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【社説】不況後の生存戦略 「ノーベル科学賞運動」に見つけよう

 イソップ寓話に出てくる「キツネとネコ」の話の教訓は何か。 キツネは敵が現れたときの生存方法を100種類もあるとネコに自慢した。 ネコは「自分は木に登ることしか方法を知らない」と言ってキツネをうらやましがった。 数匹の猟犬が現れると、ネコは木に登って助かった。 キツネは100種類の方法をめぐって右往左往している間に捕まり、死んでしまった。

この寓話は「選択と集中」という原則の効果性を示している。 経済危機は「選択と集中」で解決しろという教訓が得られる。 しかし「キツネとネコ」には盲点もある。 木がなければネコは死んでいたはずだ。 猟犬がキツネを捕まえた後、木の下でネコを待つ長期戦に入っていればネコも死んでいた。 経済危機は長期戦だ。

ウォールストリート発の経済危機という直撃弾を受けた韓国に‘登る木’はない。 今は代案の模索、戦略の考慮が必要なのかもしれない。 いくつかの代案に対する総合的な判断が欠如した「選択と集中」は脆弱になる可能性がある。


外国に対する関心も偏る傾向がある。 主に米国・中国への関心が強い。 特に中国の急浮上は世界の注目を集めるブラックホールだった。 韓国もその中に吸い込まれた。 日本や欧州連合(EU)に対する関心はそれほど大きくない。 日本への関心はスポーツの試合や独島(ドクト、日本名・竹島)、歴史歪曲に集中する傾向がある。 韓国は韓日戦で1対2で負けると、怒りで夜も眠れない。 一方、科学分野のノーベル賞の受賞者が0対13という現実には顔を背けている。 こういう方法で合理化したりもする。 「ノーベル賞は数十年前の成果に授与するものであり、日本がノーベル賞を今たくさん受けたからといって特に意味はない」。果たしてそうだろうか。

今この瞬間にも韓国はノーベル賞に値するような基礎科学教育をきちんと行っていない。 数十年後に韓国がノーベル賞を受けるだろうという予想は依然として不透明だ。 中央SUNDAYが先週から益川敏英教授をはじめ「日本科学の力、ノーベル賞受賞者に連続インタビュー」を掲載しているのは、不況であるほど基礎科学に集中しなければならない、という考えからだ。 世界は農業経済-産業経済-技術経済社会と進化してきた。 これから技術基盤経済からもっと根源的な科学基盤経済に移動してこそ、未来の生存が約束されるはずだ。 不況を何とか乗り越えたとしても、不況後の国家競争力は何をもって確保するのか。

記事が出た後、三星(サムスン)のある幹部は「三星はなぜノーベル賞を受けられないのか」と自問したという。 企業関係者と学者からなる「フォーラム新しい韓国」は4月15日、「ノーベル賞、日本から何を学ぶのか」をテーマにシンポジウムを開催する。 中央SUNDAYは連続インタビューに応じてくれた日本の科学者の訪韓特講を推進している。 こうした動きに「ノーベル科学賞運動」という名前を付ければどうだろうか。 この運動は憂うつな韓国社会に教育・科学・統合・ビジョンを提示する良いプロジェクトになるだろう。 日本と戦う前に学ぶべきことを学ぶべきだ。



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