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2008年北京オリンピック水泳金メダリストの朴泰桓(パク・テファン、20、壇国大)には「言えない悩み」がある。代表チームと専属チームの間のジレンマだ。
朴泰桓は7月にローマで開かれる世界選手権での自由形400メートル2連覇を目標に泰陵(テルン)選手村でトレーニングを行っている。選手村に入村せずにトレーニング時間にだけ来る形式だ。朴泰桓は2007年から韓国水泳史上初めて個人専属チームを抱えている。
◆専属チームと代表チームの微妙な同居=米国や日本など水泳先進国と違い、韓国は代表チームが合宿訓練を行う。専属チームがいる朴泰桓はウェイトトレーニングなど体力作りと治療を専属チームで、泰陵ではノ・ミンサン代表チーム監督と代表選手らとともにトレーニングに励んでいる。
こうした状況で微妙なムードが出ている。専属チームのキム・ギホン体力担当官、パク・チョルギュ専属治療士、ソン・ソクベ支援チーム長は泰陵の選手村でのトレーニング中はプールに入ることができない。国会代表チーム関係者ではないため出入りする資格がないのだ。ソン・ソクベ支援チーム長は、「取材陣も入れるプールにわれわれは入れない。プールの外でガラス越しにトレーニングを見守っている」と話す。
一方、代表チームのコーチ陣は朴泰桓の突出行動がチームのムードを壊さないかに神経を使っている。ノ・ミンサン監督は、朴泰桓が早朝トレーニングにときどき参加せず、午後のトレーニングにもたびたび遅刻することに不満を見せている。
◆来月2回目の米国トレーニング=朴泰桓と専属チームは10日、「朴泰桓が来月中旬から5月末までロサンゼルスの南カリフォルニア大学で6週間のトレーニングを行う」と明らかにした。朴泰桓は1月から同じ場所で米国のデーブ・サロ氏の指導の下で6週間のトレーニングを行っている。
個人トレーニングを望む朴泰桓の意向に専属チームも支持を表明している。キム・ギホン体力担当官は、「世界のトップクラスの選手に無条件でトレーニングを強要するより、体系的にコンディションを調節するのが効率的だ」と話している。
しかし専属チームの予算規模を考えると、1年間にわたり海外でトレーニングするのは難しく、国内でトレーニングするなら最高クラスの選手が集まった泰陵選手村が最良のトレーニング場所だということがジレンマだ。朴泰桓は最近のインタビューで、「フィギュアの金妍児(キム・ヨナ)が最もうらやましいときはいつか」を問う質問に「ごちゃごちゃした韓国を離れカナダで個人コーチとトレーニングにだけ専念していること」と、複雑な心境を明らかにしている。
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