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不況の中で金高騰、生活苦で金歯を売りに来る人も…

 15年前からソウル鍾路(チョンロ)で貴金属店を経営してきたイムさん(60)は、数日前に来た高齢女性のことを考えると胸が痛むという。 この70歳代の女性はイムさんの店に来て布に包んだものを出した。 金歯だった。 この女性は「生活が苦しいので金歯を売りたい」と告げた。 しかし純金含有量の少ない合金で作られた金歯の鑑定価格は7500ウォン(約450円)。 イムさんは「実際には買い取る価値がないものだったが、あまりにも気の毒だったのでお金を渡した」と話した。 この女性は7500ウォンをスカートの中のポケットに入れて店を出た。

不況の中で金価格が高騰し、金を売る人が増えている。 4000店の卸・小売り店が密集した鍾路3街は最近、金を売りに来る人で混雑している。

1日現在、韓国金取引所基準で純金3.75グラムを売る場合、価格は15万2000ウォン(買う場合は18万5900ウォン)。 昨年のこの時期は9万ウォン程度だった。 6万ウォン以上も上がっている。 このため金塊や金の指輪だけでなく、金が含まれているものなら何でも売り物として登場している。 貴金属店の関係者は「金の指輪・金のネックレスのほか、以前には見られなかった金のくし・スプーンなど、いろいろなものが出てきている」と説明した。


大学生のホさん(26)も1日、金を売るために鍾路3街の貴金属店を訪れた。 ホさんが出したのは携帯電話のアクセサリー。 アクセサリーには小さな‘金の豚’が付いていた。 ホさんは2つを売って18万ウォンを受けた。 ホさんは「3年前にサークルの後輩たちから誕生日プレゼントにもらったものなので売るべきではないが、自炊生活をしていて生活費がほとんど残っていないので売りに来た」と話した。

鍾路3街で質屋を営むコン・ヨンフンさんは「最近はROTC将校任官記念に受けた指輪、金が含まれた記念バッジや賞牌なども入ってきた」と語った。 コンさんは「大切な記念品なので後ほど必ず取りに来ると言って少ない金額を受け取って行く人が多い。そういう時は受ける側としてもつらい」と伝えた。



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