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イチロー(36、シアトル)の打撃がおかしい。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表チームのキープレーヤーであるイチローが打撃不振から抜け出せずにいる。
イチローは1日、東京ドームで行われた読売ジャイアンツとの最後の強化試合で5打数ノーヒットに終わった。 強化試合6試合の成績は23打数3安打(打率1割3分0厘)で、3安打もすべてゴロだった。 日本の強化試合日程はすべて終わり、イチローは5日に本番(中国戦)を迎える。
この日、東京ドームの5万5000席を埋めた観客はイチローの一挙手一投足に注目した。 試合前の守備練習でイチローが矢のような送球を見せると、場内はどよめいた。 打席に立つと観客席のあちこちでカメラのフラッシュが光った。
日本のラインアップは1番から9番まですべて強打者がそろっているが、ファンの注目はやはりイチローだった。 イチローは00年まで日本で7年連続首位打者になったうえ、メジャーに進出してからも最高の打者として認められている。 何よりも日本代表チーム内で見せている情熱がファンの心をとらえている。 3年前の「今後30年間は日本に勝てないと思わせたい」という発言は、日本ファンの立場にとっては‘愛国’だった。
イチローは昨年、「星野仙一監督が代表チームを指揮するならWBCに出ない」と宣言したほど、日本で絶大な影響力を行使している。 先月の宮崎キャンプでは「原辰徳監督が代表チームのリーダーではなくイチローが中心」という日本メディアの評論もあった。
それだけにイチローの打撃不振は日本にとってより大きな衝撃となっている。 最後の強化試合が終わると、「イチロー、イチロー」と声を振り絞りながら叫ぶ観客もいた。 凡打を重ねて力がなくダグアウトに戻る英雄に対する悲しみ、それでもあきらめれない感情などが入り乱れたものだった。
イチローは「結果が出ればよかったが、最後まで出なかった。 観客の前で良い姿を見せられないのはストレス。 中国戦はガチガチになっていく」と重い表情を見せた。
しかし例年のペースと比較するとイチローらしいという分析もある。 イチローは06年の第1回大会でも強化試合は振るわず、第1ラウンドでも13打数3安打(2割3分1厘)に終わったが、第2ラウンドでは米国戦の先頭打者ホームランを含む11打数4安打(3割6分4厘)、準決勝と決勝戦では9打数5安打(5割5分6厘)とどんどん調子を上げた。 イチローはメジャーリーグでも典型的なスロースターターだ。
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