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外為市場で強さを見せていた円が急落に転じた。今月に入ってからの急速な落ち込みの速度を考えると、早ければ今月末にも1ドル=100円まで円安になるとの見通しも出ている。日本経済新聞が26日に報じた。
国際外為市場で円は今月2日に1ドル=90円水準に達したが、25日には一時97円まで円安に振れ、26日も97円台後半で取引された。
専門家らは、円が急速に弱くなっているのは、日本経済の体力が悪化していることに加え、政局不安のため景気回復対策にも影響が出る可能性が大きいためだと分析している。日本の実質国内総生産(GDP)は昨年第4四半期に年率でマイナス12.7%減少した。1973年のオイルショック以来35年ぶりの最悪の水準となった。欧米などに比べ相対的に不況の度合いは軽いという予想をひっくり返したものだ。
これは自動車・電子製品など主力製品の輸出が急減しているほか、アジア市場への輸出も鈍化した結果だ。この余波で貿易収支は先月に過去最大の規模となる9526億円の赤字を記録した。
日本経済が世界的な不況の衝撃でぐらついていることから、円は当面はドル・ユーロに対し安値に振れる傾向が続くものとみられる。
野村証券の前波弘為替課長は、「公的資金を受けている米国の金融機関が巨額の損失を埋めるために円資産を売却しドルを買い入れていることも急激な円安をあおっている。3月末には1ドル=100円まで円安が進むかもしれない」との見通しを示している。
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