父から武術家としての才能を認められたクァンボム氏の逸話の一つ。

「高校１年のとき、１歳年上の留年生３人と喧嘩になりましたが、『崔永宜の息子が喧嘩をする』と言ってみんな集まってきました。かっこよく見せたかったので回し蹴りをしましたが、 その子がひどく負傷してしまいました。 停学処分を受けて帰ると、父からこう言われました。 『お前はその友達よりも強いと分かっていたのか。 それを知りながら相手を大きな技でやっつけるのはお前の大きな過ちだ』と』

父は武術の話をしながら息子を教育した。 運動ばかりしていたクァンボム氏が医大に行くと言って浪人したとき、父は「最善を尽くすだけでは足りない。 命をかけてやらなければいけない」と言いながら、自分が山の中で修行を積んだ後、日本の空手家ら３０人と対決した話を聞かせたという。 その教えを受けたクァンボム氏は二浪した後、関東（クァンドン）大学医学部に進学した。


大山倍達の３人の息子は生活上、大きな苦労はなかったという。 父の教えと母の献身的な愛情のおかげだった。 クァンボム氏は医学部を卒業した後、現在ソウル兵務庁軍医官として働いていて、父の若い頃にそっくりのクァンス氏は大学でスポーツ医学を専攻した後、病院で勤めている。 三男のクァンファ氏は外食産業学部でバリスタ課程を終えた後、留学を準備している。

「父が亡くなった後、母は父が残した土地３００坪にアパートを建てて、その賃貸料で私たちを育ててくれました」

自宅の隣に３階建てのアパート「ウィホＡ・Ｂ棟」が建っている。 「ウィホ」という名前は父と母の名前を一文字ずつ取って付けたという。

老年の父は３人の息子を座らせ、「武術は技術的なものとともに、栄養と理論の３つがそろわなければいけない」と常に強調していた。 それで長男は医者になり、二男は格闘技選手生活を送り、三男は飲食を専攻している。 父が生前に話した実戦武術哲学が世代を次いで継承されているのだ。 ３人の息子は父の実戦武術を継承する事業を計画中だ。

写真＝‘風のファイター’大山倍達の３人の息子が父の写真の前でポーズをとっている。 左から三男クァンファ氏、長男クァンボム氏、二男クァンス氏。



「風のファイター」が３人の息子に教えた技術が本に（１）