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【社説】為替相場の変動に一喜一憂しないように

ウォンが急落し国内の金融市場に対する不安感が高まっている。世界的な信用収縮が緩和されない中、東欧諸国の債務不履行の懸念が国際金融市場を揺さぶっているためだ。このためウォンは20日に1ドル=1506ウォンとなり、昨年の金融危機が絶頂だった当時の水準にまで下がった。市場では心理的抵抗線の1ドル=1500ウォンが崩れ、外為当局がすぐに防御に乗り出すべきという声が出るかと思えば、一部ではまた別の通貨危機の可能性まで指摘されている。しかし公開的な外為市場介入要求や通貨危機の可能性に対する言及はどれも市場安定にはつながらない。為替相場の変動に一喜一憂していては市場の不安感を広げるばかりで、むしろ為替相場の急騰落をあおるだけだ。

特に昨今のウォン急落は国内的要因のためというより、国際市場の不安定さが呼んだ世界的なドル高基調による部分が大きい。韓国経済の基礎的要件(ファンダメンタルズ)がこの数日間で大きく悪化していない以上、国際金融市場が安定すれば、ウォン・ドル相場も自然と安定するだろう。もちろん国際市場の不安が継続する場合はウォンの価値が相対的に低評価される期間がより長くなりかねない。だからといって無計画に外貨準備高を取り崩して市場に介入することもできない状況だ。ドル高の世界的な流れに逆行することはできないためだ。こうした時は為替相場の過度な急騰落を相殺する水準以上の市場介入が大きな意味を持つのは難しい。効果もない市場介入に大事な外貨を使うべきではない。

だからと外為当局は手をこまねいていろという話ではない。必要な時は外貨準備高を動員してでも為替相場安定に積極的に乗り出さねばならない。外貨準備高2000億ドルという数字にしばられ介入時期を逃す愚を犯してはならない。外貨準備高は数字を守るためではなく、必要な時に使うためのものだ。ただ万が一の事態に備え外貨流動性を確保できる多角的な努力をさらに傾けるべきだ。これとともに市場との疎通を通じて市場の信頼を回復することが緊要だ。

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