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韓国料理伝道師「寿司・ライスヌードルと競う」/カナダ(2)

そのときアン社長は「そうだ、韓国料理で勝負をかけてみよう」と決心したという。そしてカナダ人が2代にわたって経営してきた食品会社に平社員として入社した。まず食品業のノウハウを習わなくてはいけないという判断だった。92年、韓国40歳でつきつけた挑戦状だった。「本当に死ぬほど熱心に働きながら学びました。そんなある日、急に社長に呼び出されました。自分ががんにかかったが、私が会社を引き受ければいちばん安心できるような気がしたというんです」あまりにも急な提案で断ったが、その社長は「お金は後でくれてもいい」と会社の買収を重ねて要請した。結局、入社して1年で会社を引き受け、名前もチョウォン流通に変えて本格的な事業家の道に入った。

韓人初のカナダ政府認証取得

しかし流通業だけでは韓国料理をきちんと消費者に伝えることができなかった。それで初めから生産から流通・販売まで全過程に携わろうと心に決めた。食べ物の質が常に同じになるよう維持するためにこれは避けられない選択だった。彼は現地の牧場主たちを訪ねて説得を始めた。多くの試みの末「ハイランドビーフ」という中堅牧場と合作することに成功した。「ハンカクォリティーフード」という肉加工品製造会社も設立した。牧場で生産された質のよいアルバータ産牛肉で味付けカルビと味付け焼肉、各種ビーフジャーキーを作った後、チョウォン流通の配給網を通じて一線のスーパーマーケットに供給するという意欲的な計画だった。


現地の海外同胞たちさえ「韓国式牛肉料理がカナダで通じるか」と半信半疑だったが、実際にふたを開けてみたら大成功だった。アジア系はもちろんステーキばかりを好んで食べてきたカナダ人も味付けカルビと焼肉の味に親指を立てた。自信を得たアン社長は2006年、カナダ最大のコンビニ流通企業と手を取り合って、チョウォン流通の人気商品をコストコ、セーブオンフードなど、カナダ全域のスーパーマーケットに供給を始めた。「カナダ産牛肉の品質は自他が公認する世界最高水準です。とうもろこしを主に食べさせる米国とは違い、麦を食べさせているので韓牛と味も似ています。韓国の人々がカナダ産牛肉を試食すると感嘆を禁じえない理由がここにあります」





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