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「98年の通貨危機はアジアに限定された危機だったため、会社には大きな影響がなかった。 しかし今は世界が経済危機を迎えている。 私たちも波も上で揺れている状況だ」
18日午後、慶州(キョンジュ)ボムン団地デミョンコンドミニアム地下1階の大宴会場。 2泊3日間の修練会に参加した約200人の現代(ヒョンデ)重工業労組の代議員と幹部はやや驚くような表情を見せた。 オ・ジョンセ労組委員長(48)が今年の賃金・団体交渉戦略でなく、経営難について語り始めたからだ。 この日は定期的な団結大会。 オ委員長は演壇に立つと、「今日は少し講義をしなければいけない」と述べた。
「昨年6月からは1隻の船も受注できていない。 いま大きな危機が迫っている。 もはや不況でなく恐慌期だ」
オ委員長は「労組も発想の転換が必要な時であり、節約を身につける時だ。現代重工業という洞窟に食糧(受注した船)はある。 (中略)今は食糧を分け合って少しずつ食べていく必要がある」と強調した。
オ委員長は「生き残らなければ強者でない。 トヨタが崩れ、三星(サムスン)も赤字を出している。 生き残ることに全力を傾けなければならない時がきた」と話した。 オ委員長は「そのためには労組が経営について考えて(経営に)寄与しなければならない」と話した。
オ委員長は「いまや従来の労使慣行を改めて、闘争や要求よりも先に自己革新をすべき時」とし「今年の賃金交渉は争いなしでいく」と宣言した。 賃金交渉の会社委任、賃金据え置きを宣言したのだ。 87年の労組創立後、無交渉での賃金据え置きは今回が初めて。 毎年慣例的に受け入れてきた成果激励金(300%ボーナス+200万ウォン)も会社に任せる方針だ。
組合員のキム・ソンホさん(51)はオ委員長の講義内容を聞き、「会社の事情が厳しいため、全組合員の雇用を維持することが重要だ」と述べた。 キムさんは「外国に良い労使関係イメージを与えれば受注も増えるはず。経営が好転した後、会社が成果給などを支給してくれると信じている」と話した。
三星重工業・大宇(デウ)海洋造船・韓進(ハンジン)重工業など競合他社は、オ委員長の講演内容を職員教育に活用する予定だ。 現代重工業のキム・ジョンウク労務担当常務は「労組委員長が幹部に経営状況を説明するのは前例がないこと。 立派な決断をした」と話した。
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