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苦境に追い込まれた麻生首相



麻生太郎首相が苦しい状況に追い込まれている。

自民党内でも「麻生降ろし」の動きが急速に表面化しはじめている。最近、イタリア・ローマで開催された主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の際、会見直前の深酒疑惑で辞任した中川昭一財務・金融担当相事件が決定打となった。


麻生首相が中川氏の後任として、与謝野馨経済財政担当相に財務相と金融相を兼務させたのも問題となった。経済財政・財務・金融という3つの閣僚ポストを兼務することになった与謝野氏が、国会予算審議と質疑・答弁などの日程が重なり、22日にタイ・プーケットで開かれる東南アジア諸国連合と韓日中(ASEANプラス3)の財務相会議に出席できなくなったのだ。

麻生氏の誤った人事が招いた結果だ。野党側では麻生氏の危機管理能力を問題視している。経済政策を最優先するとしながら、関連閣僚の人事から間違っているということだ。民主党は「危機管理能力の欠如」を指摘し、問責決議案の衆院提出を進めている。最近、麻生内閣支持率は日本テレビの調べで9.7%、共同通信の調べで13.4%にすぎなかった。

自民党内の「反麻生勢力」の先頭には小泉純一郎元首相がいる。ロシアを訪問中の小泉元首相は18日「(景気回復に向けて政府が国民1人当たり=1万2000円を支給するという)定額給付金の裏付けとなる第2次補正予算関連法案の衆議院での再可決を進める場合、登院しない」と明らかにした。

「麻生首相が率いる自民党の党論に従えない」という一種の宣戦布告だ。すると後藤田正純議員は「麻生内閣には危機管理能力、信頼、誠実さがすでになくなっている」とし、首相退陣を要求した。山崎拓前自民党副総裁も19日「今日の内閣、政党支持率では選挙が戦えないというのが各派会長らの共通認識だ」と述べた。

読売新聞など各紙は「今年の予算案と関連法案がすべて可決すると予想される4月下旬が首相交代の時点」という見方を示している。自民党内では早くも後任の首相候補の名前が挙がっている。小泉元首相が支持する小池百合子元防衛相のほか、与謝野財務・金融・経済財政担当相、石破茂元防衛相、野田聖子消費者行政担当相、自民党の石原伸晃幹事長代理などだ。



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