低所得層に各種消費クーポンを配る案をめぐり活発に議論が行われている。 クーポン制とは、低所得層に対する生計補助の一環で、食料品と生活必需品の購入代金を政府が商品券の形で配布する制度だ。 物品を政府が購入して支給したり現金を給付する場合に比べ、副作用が小さく景気浮揚効果が大きい、と評価されている。 尹増鉉（ユン・ジュンヒョン）企画財政部長官は１７日、国会での答弁で「生計が厳しい新貧困層対策として消費クーポンやフードクーポンなどあらゆる方法を検討している」と明らかにした。 この際、３月末に国会に提出される補正予算案に消費クーポンを積極的に導入することを勧めたい。 今後急増すると予想される貧困階層に対する福祉対策の拡充と景気浮揚のための財政支出拡大という２つの政策目標を、消費クーポンが最も効果的に達成できると判断されるからだ。

ちょうど租税研究院は１８日、景気浮揚策が早期に効果を得るには、家計への補助金や雇用に対する税制優遇措置など直接的な支援策を使わなければならない、という分析を出した。 消費クーポンはまさに家計への直接補助金のひとつだ。 米国の中産階級支援のための「税金還付」や日本の生活支援定額給付金、フランスの社会保障給与なども消費クーポンと似た性格の直接補助金だ。 ハンナラ党の鄭斗彦（チョン・ドゥオン）議員は「台湾が旧正月連休前に庶民に支給した‘時限付き消費クーポン’の景気浮揚効果は期待以上に高かった」とし、消費クーポン導入を提案した。

消費クーポンを導入する場合、その効果を極大化するためには支給対象を具体的に特定し、使用時限を明示しなければならない。 国民の税金で支援する生計補助金がとんでもないところにもれないようにし、直ちに消費支出に使われるよう誘導すれば、景気を刺激するからだ。 昨年物議をかもした油類税還付金のように、ほとんど消費に寄与せず国庫だけを浪費することがあってはならない。 また財政の健全性を勘案し、適用期間を決める必要がある。 ただ、今後ほかの福祉対策と連係して恒久的な制度として定着させることは可能だ。